精神科ブログ

精神科抄読会

 
精神科古屋医師の担当で
『自明性の喪失』にみるBlankenburg.Wの姿勢
単純型統合失調症か、それともアウペルガー症候群か  和田信   精神科治療学 31(6) 755-761、2016

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認知症の勉強会

松本で地域の医師対象の認知症に関する講演会がありました。
「脳神経外科からみた認知症」、「精神科からみた認知症」、神経内科の教授の講演の三本立てでした。

脳神経外科からは手術で治療可能な正常圧水頭症や脳血管性認知症などの話がありました。

「精神科からみた認知症」は当院の村田志保先生が講演しました。
認知症診療において地域で多様な機能を果たしている認知症疾患センターの取り組みついて紹介し、豊富なデーターや実例を紹介しながら、中核症状が進行する時期にBPSDがでて、本人も家族もぎりぎりの状態となって精神科は関わることが多いけれども、より早くから診断し有効な介入ができないか、また終末期の看取り至るまで地域でトータルでどのようにみていけるかという問題提起をしました。
また、「診断した限りは最期まで付き合う覚悟が必要。」「認知症治療薬のやめ時についても議論が必要」、「認知症は定義からして社会的生活が困難になった状態、どこまで寄り添えるか」が問われていると訴えました。

神経内科の教授はアミロイド研究の歴史、FDG-PETによるイメージングの研究、認知症の病因論にせまる最新の知見と薬物治療の可能性についての話が主でした。

同じ認知症という疾患を相手にしていても科によってのスタンスの違いが見事に別れるものですね。
 

樋端Dr

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長野KIZUNAカンファレンス

 
松代総合病院の福家先生の発案で始まった長野KIZUNAカンファレンスに
当院から湯澤先生、小笠原先生らと参加してきました
精神科 雨宮

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病院祭

 
病院祭・農業祭が行われました。 「未来」~地域とよりそう~
FM長野の公開録画と東京03のお笑いライブとINSPiのライブが大変盛り上がりました。
病院祭実行委員長 精神科 雨宮光太郎

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学会

 
第29回日本総合病院精神医学会学術総会に行ってきました
精神科 雨宮

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院内学会・忘年会

 
第11回院内学会が行われました。 セッション1の座長と審査員を拝命しました
最優秀演題は 
男子前立腺肥大症患者に類似した病変と下部尿路症状を呈した中年女性の1例 松本先生
その後某所で北アルプス医療センターあづみ病院忘年会が開催されました。
精神科 雨宮光太郎

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実習2016年11月28日~12月21日

1ヶ月の精神科での実習は、初めての体験だらけであった。挙げていけばキリがないが、例えば閉鎖病棟の鍵を自分で管理し、自分で開け閉めして病棟に出入りすることもその1つだ。閉鎖病棟に足を踏み入れる事自体初めてだったため、何となく、毎日背筋が伸びるような気持ちで実習を始める事が出来た。毎日予診を取らせていただいたのも勿論初めてのことだった。様々な主訴の患者さんが、様々な表現で外来に訪れる、その一端を担い、続けて先生の診察を見ることは本当に勉強になった。

研修医や専門医になってからは、上の先生方が行う外来やインフォームドコンセントをじっくり見ることはなかなか難しくなるという。そう考えると、毎日どなたかの先生の外来の部屋に入れて頂き、患者さんとの関わり方を間近で見る事ができるのは学生の特権なのだと思う。あづみ病院の精神科には多くの先生がいらっしゃるため、先生毎に少しずつ違う、患者さんとの関わり方や病気に対する考え方を聞くことが出来た。臨床実習は知識を学ぶことも大事だが、色々な人の「どのような医者として生き、働くか」という考えを聞き、それを参考にしながら自分の目指す医師像を作り上げていく場でもあると思う。そう考えると、忙しいなか時間を割いて実習生に知識や自分の考えを教えてくださるあづみ病院の精神科は、最高の実習場所だったと思う。

医学科に入る前から精神科の分野に興味があったものの、実際に臨床の場をじっくり見る機会がなかったため、将来専攻するかを迷い出していたこの時期に当院で実習する事が出来て本当に良かったと思っている。学生残り1年と研修医2年を経て、自分も精神科医として働きたいと思い、実習を終えることが出来た。

信州大学5年 福里那波(2016.11.28~12.22)

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信州精神医療交流会

長野県の精神医療関係者があつまって情報交換をしたり励ましたりする信州精神医療交流会がビレッジ安曇野で開催されました。
30年以上歴史のある会ですが最近は安曇総合病院が事務局を務めさせていただいています。
今回は大盛況で全県の病院や事業所から参加者があり信州精神医療交流会の名にふさわしい集会になりました。
「地域から見た精神医療」というテーマで、木曽障害者総合支援センター「ともに」の垣外里香さんと、ウィッシュの地域移行支援コーディネーターの鈴木ふじ子さんに話題提供をいただき、全員で精神障害者の地域支援について熱い議論がかわされました。
この会は9月の第一土曜日と2月の最終土曜日に年2回開催されます。
次回は2012年9月1日(土)16:00~、筑北村西条温泉とくら(長野と松本の間、麻績インター近く)で開催予定です。
信州の精神保健医療福祉関係者であればどなたでも参加できます。

(樋端Dr)
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まちの病院がなくなる!?

安曇総合病院も老朽化した病棟の建て替えを中心とした再構築の計画が進んでいます。
そんな中、当地域の地域医療福祉のあり方を考える北アルプス地域ケアシンポジウムの第2回として、城西大学の伊関友伸先生をお招きして「まちの病院がなくなる!?」というタイトルでご講演を頂きました。
地域住民、病院職員の他、医師会の先生方や行政職の方など大勢の参加がありました。
伊関先生からは医師不足や医療崩壊、医療再生についてのお話がありました。
若い医師は教育のシステム、年配の医師は休みがないと医師は集まらないそうです。
また総合医に関しては当院のような病院こそ望まれます。
収容施設としての精神科病床は全国的に削減されていく方向ですが、高密度高機能の総合病院精神科病床は今後ますます重要になるという話もあり勇気づけられました。
公的病院である安曇総合病院は地域事情と遊離せずに地域に必要な医療を担いつづけるため、他の医療福祉機関とも協業した地域の医療のあり方を広く職員、住民で議論することが必要なこと、行政が主導して地域に必要な福祉を根付かせることが重要なこと、住民も地域医療の当事者として現状を理解し共感をもった行動をすることが大切ということでした。
精神科部門でも再構築の機運を高めていかなければいけません。

(樋端Dr)
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地域住民のための健康公開講座

安曇総合病院健康公開講座が開催された。
雪がふり足場も悪い中でどれだけの住民の方が来ていただけるか心配したが、大勢の地域住民、福祉関係者、職員の参加があった。今回は「高齢者の幻覚妄想~びまん性レビー小体認知症を中心に」というタイトルで信州大学精神科の天野直二教授の講演であった。
4大認知症の歴史から高齢者にどのような幻覚や妄想が多いのか、レビー小体型認知症とはどのような認知症なのかという話であり認知症の家族をかかえる住民の方からも盛んに質問がでて関心の高さがうかがわれた。

(樋端Dr)
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窒息した時には・・。

精神科病棟で窒息というのは非常に多い事故です。
歯科治療をしたり、食形態を個別に工夫したり、食事の置き場所や処遇を考慮するなどリスクを減らす取り組みはしています。
しかし、どんなに注意していても行動がまとまらず持ち込んだものや他の方の食事をせっついて食べてしまったりということで窒息のリスクはゼロにはできません。

身近にあって危険な食べ物はパンです。

窒息したときはハインムリック法や胸骨圧迫で押し出したり、吸引したり喉頭展開してマギール鉗子で掻きだしたりしますが、うまくいかないこともあります。
吸痰用の吸引器では吸引力がよわかったりすぐに詰まってしまったりします。

そんなときに秘密兵器が掃除機に異物誤嚥用のアタッチメントノズルを取り付ける形の強力吸引器でこれで命を救われた人もいます・・。

救急カート同様にすぐに使える場所に配備されていますが、なるべく使われることがないようにリスク管理を最大限行いたいものです。
 

樋端Dr
 

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精神医療オープン勉強会開催のお知らせ

精神医療オープン勉強会開催のお知らせ

精神科医療の制度、障がい者支援の制度もめまぐるしく変わっています。
安曇総合病院精神科では今後、障がい者の相談支援業務(ケアマネジメント)にも力を入れていきます。
ということで勉強会を企画させて頂きました。
パワフル&クール、でも情に厚い、スーパー支援者のお2人をお招きして地域での支援とこれからの精神科医療について語りましょう。
精神保健医療福祉関係者であればどなたでも参加できます。

テーマ「地域と連携した精神科医療と地域移行」
講師:
木曽障がい者総合支援センターともに 垣外里香氏
松本圏域障がい者総合支援センターボイス 東條知子氏

日時:平成24年4月13日(木) 17:30~
場所:安曇総合病院外来棟2F会議室

お問い合わせはメンタルケアセンターあずみ 郷津

TEL:0261-62-9830
FAX:0261-62-9860
 

樋端Dr

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第2回 あずみ野精神疾患治療検討会~統合失調症編~

当院のスタッフ、近隣の向精神薬をもちいた治療に関わる病院やクリニックの医師や看護師、薬剤師、調剤薬局の薬剤師などを含めた多職種での勉強会が開催されました。
毎回、向精神薬を発売している複数の製薬会社様(グラクソ・スミソクライン、大塚製薬、第一三共製薬)にもご協力いただいています。

「うつ病治療」をテーマにした第1回に引き続き今回は「統合失調症治療」をテーマに開催。

最初は当院薬剤部の池川尚薬剤師の「DIEPSSを用いた統合失調症患者における薬物療法の検討」という発表でした。
池川薬剤師は最近はクロザピンによる治療でも活躍しています。

DIEPSS(Drug-Induced Extrapyramidal Symptoms
Scale、薬原性錐体外路症状評価尺度)を抗精神病薬を使用している入院患者について調べ、当院の抗精神病薬や抗コリン薬の使用状況を全国の状況と比較したものを発表しました。
当院ではまだまだ多剤併用の傾向があるみたいです。

DIPSSを使っていると錐体外路症状が見えるようになってきますね。

つづいて当院の中村敏範先生の「アリピプラゾールの使用経験」の発表でした。
中村敏範先生は村井病院での研修中にアリピプラゾール(エビリファイ)の使い方のコツをつかんだそうです。
エビリファイは日本で開発された新規の抗精神病薬でパーシャルドパミンアゴニストと(ドパミンシステムスタビライザー)いう作用機序をもつ薬です。

体重増加や代謝系の副作用も出にくくうまく使えるといいのですが、作用が容量依存的でなく、少量でアカシジア様症状がでやすいなどの癖がつよく使い方がやや難しいです。
使いこなせるようになりたいものですね。

今回も近隣のクリニックの先生や薬局の薬剤師さんの参加もあり盛り上がりました。
第3回のテーマは(おそらく)認知症です。
詳細が決まればまた発表します。

 

樋端Dr

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自殺予防のためのアルコール・薬物問題の理解と援助

当院の古屋昌宏医師が、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦先生の講演を聞きに行った内容の伝達講習会がありました。
院内だけではなく地域の保健医療福祉の関係スタッフも含めての勉強会としたところ大勢の参加者がありました。
講演の録音を聞き込み、ギャグやネタ、口調まで松本先生になりきった古屋医師は大ウケでした。
(古屋先生、最高です。診察室でも松本先生モードになってしまっていたそうです。)
3時間の講演を1時間にまとめたため、かなりの早口でしたがやはり一時間では終わりませんでした。

今回は自殺予防、特に「うつとアルコール依存症」がメインの内容でした。

うつ病はアルコール依存症のリスクであり、アルコール依存症は自殺を促します。
眠れなかったり悩みがあるときに飲酒してしまうと、さまざまな悪循環が生まれます。
そして希死念慮が浮かんだ瞬間に自殺を既遂してしまうそうです。
アルコールの問題は常に意識して置かなければいけません。

その他に

「死にたい」には傾聴を~マイ人生哲学はいらない~
「死んではいけない」はいけない。
「死なない」約束をむすぶ。(次回の面接予約とセットで)
「底付きとは援助の中で体験するもの」
「支援資源に確実につなぐ」
「自傷しないことよりも援助関係が続くことが大事」
「問題の解決を援助する」
「距離をとれ」ではなく「チームを組め!」

などなどのわかりやすいキーフレーズでたくさんの気づきがありました。
皆がゲートキーパーとなり地域にさまざまなサポート体制とネットワークを作っていかなければいけませんね。
 

(樋端Dr)

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退院調整伝達講習

今回精神科認定看護師(退院調整)取得のため、研修に参加させていただきました。
基本的な退院調整看護師の役割をはじめ多職種との連携や多職種の仕事や役割を学びました。
そして、入院生活から地域生活への移行や地域で暮らすための地域定着支援について改めて考える機会となりました。
それについて今回伝達講習の機会を頂き、退院調整について話させて頂きました。
今回は、退院調整の導入くらいしかお話しできず、またこういった機会ははじめてで、うまく伝えられなかったのではないかと感じています。
退院調整と地域連携はまだまだ知ってもらいたいことが多くあります。その伝達をこれからも続けていきたいと思います。
そして、話したことが患者さんひとりひとりと関わる中でイメージができるのではないでしょうか。

こういった活動に興味がある人は一緒に退院調整を考えていきましょう(*^^)v

(西澤Ns)