統括院長あいさつ

 2023年3月9日に開幕したWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での選手たちの素晴らしい活躍に私たちは胸躍らせました。3月21日(日本時間22日)、米マイアミの「ローンデポ・パーク」で決勝戦が行われ、日本は3-2で米国を下し、侍ジャパンが14年ぶりに世界一を奪回しました。ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が「二刀流」で大活躍し、最後は大谷翔平投手VSマイク・トラウト外野手が実現し、エンゼルスの同僚対決に世界が痺れました。
このような明るいニュースがありつつも、やはり2022年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延して丸3年が過ぎても、なおCOVID-19によるクラスターが長野県各地で頻発し、当院においても同様に感染制御チームを中心に多くの部署の職員に水際で感染症をブロックするために頑張っていただきました。毎週開かれるCOVID-19対策会議、診療日に合わせて行っている発熱外来、CT検査によるCOVID-19陽性患者の重症度の振り分けなど、さまざまな取り組みに加えて、措置入院が必要な精神疾患を伴うCOVID-19陽性患者の入院治療も担当してきました。この入院加療は長野県内で当院だけが担当しています。

 また、当院では地域の感染症以外の医療レベルも落とさないように、職員の皆さんに支えてもらいながら日々努力を続けています。『地域がん診療病院』として、大北地域のすべてのがん患者さんに対して、信州大学附属病院と連携して当院で治療してきました。さらに、地域住民の皆様や医師会の先生方にとって急患というほどではないが診てもらうと安心という患者さんの紹介先として、午後の新患外来を内科と小児科の医師と外来スタッフのお陰で開始することができました。当院の職員の皆様には深く感謝しています。

2023年4月からは新しい先生方の赴任により、さまざまな展開が期待されます。まず呼吸器外科は小野先生の赴任により呼吸器外科専門医が2名体制となり、休止していた呼吸器外科手術を再開できます。精神科は由井寿美江先生をはじめ3名の先生方の赴任により、「急性期医師配置加算」が請求できる充実した精神科医療が提供できるようになります。病理検査科は、信州大学前医学部長の中山 淳先生に病理専門医として赴任いただき、病理診断のレベルアップにより関連診療科全体の更なるレベルアップにつながっていくと信じています。

 今後もCOVID-19などのクラスターによる医療崩壊(病院機能の崩壊)や光熱費高騰などによる経営危機などのさまざまな逆風にさらされることになると思いますが、職員の皆様と共に一丸となっていかなる困難も乗り越えていく所存です。当院の理念である「質の高い医療と社会への貢献を通し、地域の皆様から信頼される病院を築きます。」が実現できるように頑張っていきますので、これまで通りの温かいご支援とご協力をお願い致します。

2023年4月1日 北アルプス医療センターあづみ病院 統括院長 畑 幸彦