指導医・研修医ブログ

大北地域にて

 本年度より初期研修医として勤務している古橋遊と申します。

生まれ育った諏訪地域を発ち、母校の学舎立つ松本地域からさらに北上し、この大北地域を生活の拠点とするようになって約3ヶ月が過ぎました。

 この3ヶ月間は、薬品の名前、点滴を落とす速度、エコープローブ走査のコツ、当直時の対応、オーダーの出し方、文書作成時の作法等々、国試では問われることのなかった知識や病院実習では触れる機会のなかった業務に苦闘する毎日です。わからないことに出くわす毎に指導医の先生方をはじめ多くの方々にご迷惑をお掛けしておりますが、皆様の温かいご指導のおかげもあり、困難をなんとか乗り切ることができています。病院の皆様と地域の皆様にはこの場をお借りして感謝申し上げます。私は飲み込みが遅くひどく不器用な人間ですのでもうしばらく皆様のお手を煩わせることになるかと思いますが、精一杯研修に努めさせていただきますので引き続きよろしくお願いいたします。


 さて、休日には、近くの公園等で体を動かして汗を流すことが多いです。小さい頃からスポーツの類は嫌いではなく、現在でも不定期で空手やバスケ、テニス、ランニング等をしておりますが、30歳も過ぎるとなかなか昔のようにはこの体が言うことを聞きません。時が流れて歳を取る、という摂理をわかっているつもりではいますが、水を飲むようにスーッと受け入れられるものではなく、かつて自分ができていたことが少しずつできなくなっていくというのはやはりそれなりに悔しいので。足掻いて藻掻いて抗ってみている訳です。


 また、直近の日曜日には、ボランティアとして信州大学医学部オープンキャンパスのお手伝いに行ってきました。実は私、前職が教育関係でありまして、今回も信州大学医学部を目指している参加者への受験対策指導等を担当させていただきました。「長野県内の中高生の学力を底上げして医学部合格者数を増やす」または「他県からの信州大学医学部受験者数を増やす」ことができれば、長野県内の医師数も自ずと増えていく可能性があり、私がこのような活動を拙いながらも継続することによって長野県の地域医療に貢献できるのではないかと愚考しております。がんばれ受験生!!

フレッシュナースブログ

2024新人研修〜みんな大好きフィジカルアセスメント&いつかなくそう身体拘束〜

 今回のブログを担当するのは、こころのホスピタル1階病棟の新人看護師富田です。よろしくお願いします。

 暑い日が続いていますが、私はクーラーの効いた病棟で楽しく働かせていただいています。最近はNetflixでヒロアカを一気見していて、面白くて前向きな気持ちになれるアニメなので、興味はあるけどまだ観てないなんて方はぜひ観てみてください。

 さて、今回の研修では、呼吸音の聴取や事例を通したフィジカルアセスメント、認知症の看護、身体抑制について学びました。その中でもここでは、「事例を用いたフィジカルアセスメント」と「身体抑制」の研修についてお話ししたいと思います。

 まず、「事例を用いたフィジカルアセスメント」の研修ですが、1グループ5人程度で分かれて、グループごとに主任さんから1つの事例を説明していただきます。説明された事例の患者さんの状況・状態を、どのように先輩看護師に報告したら良いか?を全員で話し合って考えます。
ここで役立つのが「I-SBAR-C※」という報告におけるスキルです。I(報告者・対象者は誰か)、S(状況:1番伝えたいポイント!)、B(背景:患者さんの経過・疾患など)、A(評価:患者さんの状態から考えられる問題は何か)、R(提案:具体的にどうするか)の順に話すことで簡潔で伝わりやすい報告をすることができるというものです。

 

 理屈はわかっても事例となると大変で、特に私が難しいと感じたのが、その報告の緊急性の度合、状況と背景のどの情報をどこまで伝えるのが適切なのか、どんな提案をするのが相応しいか、を考えることでした。さらに、現場では患者さんから自分で情報を得る必要があるため、必要な情報は何かを判断できなければなりません。研修では5人で考えてやっとでしたが、優しい主任さん達が評価して改善点を教えてくださったので、状況に応じた報告の方法や工夫を学ぶことができました。下手な報告をして先輩からお叱りを受けないように、報告のスキルは是非とも身につけておきたいですね。

 次に「身体抑制」の研修です。この研修では、実際の拘束帯を用いて新人看護師が拘束したりされたりして、身体抑制を身をもって体験しました。その前に仲村主任に講義をしていただいたのですが、そこでとても大事なメッセージを受け取りました。それは、「僕はこの研修で皆さんに身体拘束を上手にできるようになって欲しいんじゃない、身体拘束のデメリットを知ってもらい、将来的に身体拘束を日本からゼロにできるよう皆さんに取り組んでいってもらいたいんです」というものでした。身体拘束は患者さんの自由を制限する、非常に重い決断を要するものであり、私も身体拘束をなくしていくことに関わる看護師であり続けたいと感じました。

 実技では、新人看護師数名が拘束する側・される側を体験しました。下の写真のように帯と留め具によって胴・肩や四肢を固定されてしまいます。拘束される側を体験した人の中には、「自分の自由がきかなくなるのってほんとに怖い」と言っている人もいました。今回の経験から、どうしても拘束の実施が必要になった時に、実施の目的や一時的なものであることを説明する・身体拘束継続の妥当性を他職種で話し合うなどをして、本人の尊厳に最大限配慮し、一分一秒でも拘束時間を短くするための看護を目指したいと思いました。

 

 長くなりましたが、私の話は以上になります。どの研修でも、先生や主任がとても優しく丁寧に教えてくださるこの環境は、あづみ病院で働き勉強する上での魅力の一つだと私は感じています。新人時代からこんなに楽しく働ける職場は他ではなかなかないのではないでしょうか。少しでも興味がわいた方はぜひ病院見学やインターンにいらしてはいかがでしょうか。来年お会いできることを密かに心待ちにしております。ご覧いただきありがとうございました。富田