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しくじり先生

 「いいひふの日」におむつメーカーのセミナーで発表をしました。

タイトルは「しくじり先生~一般科病棟と精神科病棟でのCST活動から~」
一般科病棟CSTでのしくじりを、精神科病棟CSTでどう活かしたかという内容です。
TV番組の「しくじり先生」風にまとめてみました。
しくじったことで初めて分かることってありますよね。
大事なのは、その経験を活かすことだと思うので、これから導入を考えている施設や、
現在の活動が停滞している施設の参考になれば。。。と考えました。
「導入した当初はよく頑張ったのに、少しずつフェードアウトしてしまった。」
「CSTが役割を理解していると思っていた。」
「病棟責任者の継続的な協力を依頼できなかった。」
この3つがしくじりです。
しかしこれらを活かした結果、精神科病棟では順調にステップアップができました。
困難事例と言われるような事例でも、アセスメントを繰り返し、適切なケアを行うことで排泄の自立が図れました。
職員アンケートでは、製品を変えて良かったという意見が多く記載されており、嬉しく思っています。
でも、1番嬉しかったのは、セミナーにCSTメンバー全員が来てくれたことかな。。。
最後のスライドに、WOCNの願いとして
「之を知るものは之を好むものに如かず、之を好むものは之を楽しむものに如かず」
*あることを知っているだけの人よりは、それを好きになった人の方が優れている。
 それを好きになった人よりは、それを楽しんでいる人の方がもっと優れている。
「コンチネンスケアを楽しめるようになって欲しい。まずは、知ることから。」と入れました。
私の切なる願いです。
 
*湯島聖堂の孔子銅像。世界最大級なのだそうです。
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看護記録って大事!

 今月上旬看護協会主催の研修、「弁護士の視点から見た看護記録」に参加しました。

講師は、看護師経験もある弁護士さん。経歴は知らずに申込みをしたのですが、
参加して本当に良かったと冒頭から感じていました。
私が特に知りたかったのは、褥瘡に関する記録について。
褥瘡対策は施設基準に定められており、リスクアセスメントを行った結果、
発生リスクがある患者さんや、既に発生した状態で入院された場合に、看護計画を立案し、日々展開しています。
記録に残すことは基本ですが、入力に時間がかかり、ケア時間の減少や、時間外勤務が増加するようでは本末転倒です。
「必要な記録を短時間で残すこと」これが大事。
看護記録とは「看護師の思考と行為を示すもの」ですが、看護師は日頃から時系列で記録をしているため、判決においては重視されるそうです。
裁判で重要な基本情報として扱われ、記録がそのまま判決文になるようなこともあるとか。
褥瘡での裁判事例や、良い記録・悪い記録の比較も勉強になりました。
「事実を正確に」「見た人に患者さんの状態が伝わる」「客観的に書く」ことがポイントで、簡潔に書かれていることも必要です。
私もコンサルテーションの記録を残しますが、主治医やチームの看護師が見た時に、
アセスメントの根拠が分かるような記録をするように心がけています。
 
 
*最近撮影が禁止になった、京都の寺院で一昨年前に撮影。
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お達者落語会

今月上旬に開催された、在宅褥瘡創傷ケア推進協会総会・学術集会参加最大の目的は、

春雨や落雷師匠こと安部 正之先生の「お達者落語会」を聞くこと。
安部 正敏先生のお父様の落語と医学講和です。
「江戸古典落語」と「いきいき医学講座“笑いと免疫力、、、そして健康”」の
二部で構成された口演は初体験でした。
初めて落語を生で聞き、情景が思い浮かぶ話し方に引き込まれ、
気が付くと前のめりになって、夢中で落語の世界に入っていました。
先生は「笑い療法士」という資格をお持ちで、「日本笑い学会」の会員なのだそうです。
笑いの効果は、免疫力を高めたり、痛みを消失させたり、円滑な人間関係維持にも必要と聞きました。
いいことずくめですよね。
人が1日に笑う時間は平均23秒程度なのだとか。
平均なので、もっと少ない人もいるのでしょう。
人間味が必要な医師は、話が上手いことや、笑いやユーモアを取り入れることが大切と聞いた時は、思わず何度も頷いてしまいました。。。
そして、ある程度チャランポランで良い、適度な運動をする、ぬるめのお風呂で温まる、納豆やヨーグルトなどの発酵食品を摂ることなども大切であるとのこと。
心の持ちようも影響があり、引きこもりタイプと自律しているタイプでは免疫力が違うそうです。
参加して本当に良かったと余韻に浸りながら、徳川家康の名言を思い出しました。
最も多くの人間を喜ばせたものが、最も大きく栄える。
 
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熱い仲間達

7月上旬、浅草橋で開催された日本褥瘡創傷推進協会総会・学術集会に参加しました。
テーマは「在宅でも施設でも病院でも、やる・できる・つながる褥瘡創傷ケア」
都合で2日目しか参加できませんでしたが、とても充実した時間を過ごせました。
一般演題では、現場スタッフの切実な声、頑張って活動を行っている北陸地区の報告、患者会の方から「介護者向けにも研修会を行って欲しい」といった要望を聞くことができたのは、この総会・集会の特徴なのでしょう。
秋山先生の特別講演では、あるがん患者さんの言葉が紹介されました。
「連携といっても患者は物やボールじゃない。丁寧に手を添えて、確実に送り届けて欲しい。」普段、地域連携とか看看連携なんて簡単に言っていたのが、恥ずかしくなりました。
誰のための連携なのか、大事なことの共通認識を持って行いたいですね。
安部先生の参加型セミナー「外用療法を超学ぶ!全員あたるまで帰れま10!」は、今回も大盛り上がりでした。
参加者の属性に関係なく会場が沸き、一体感を味わえるのは他に類を見ないと言っても、過言ではないでしょう。
ちなみに、私が間違えた問題は先生の著書のカバーの白抜きの文字と、前東京都知事が行った回転すし屋さんの店名。
問題ひとつひとつに対する参加者の反応が面白くて、それも楽しめました。
暑い日に、涼しい会場で、熱くなりながら過ごした、そんな1日でした。
 
 
*ランチョンセミナーのお弁当、美味しかった~。
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いよいよ。。。

27日と28日に一般科病棟が新しい病棟へ引越しをします。
同時に電子カルテもバージョンアップするので、大変な2日間になりそうです。
私も引越しの手伝いや、電子カルテへの入力作業などがあるため土日は出勤予定。

大きなイベントに備え、事前に準備をしていても、色々なアクシデントがありますね。
急遽準備が必要になったことや、予定外に準備が間に合わなかったこと、
「こんなものなのかなぁ。」なんて考えながら、昨年精神科病棟でおむつの製品変更をした際に、10月導入予定だったところを、他の施設の都合で9月導入になったことを思い出しました。
あの時も急遽予定変更となり大変だったけれど、当院が導入時期を変えないと、もっと困る施設があると考え予定を変えたのです。
「困った時はお互いさま。いつかきっと私も助けてもらえることがあるだろう。。。」と
考えていましたが、意外と早くその日が訪れました。

無理なお願いにも関わらず、イレギュラーな対応を短時間で行ってくれたメーカーさんに心から感謝し、信頼を裏切らないことの大切さについて、身を持って知りました。
「出来ない」をNGワードにしている私ですが、これからもNGワードのトップに挙げていこうと思います。

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WOCはつらいよ

久しぶりの投稿です。
本当は、「ハンセン病の日」について書きたかったのですが、書けずに今日に至ってしまいました。
気持ちに迷いがあるとダメですね。
ハンセン病についてはまたの機会にします。

最近、「WOCはつらいよ!」と思うエピソードが複数ありました。
活動を始めた頃のことを思えば「贅沢な悩み」だと分かっていますが、
寅さんのテーマソングが頭の中に流れてきます。
♪きょう~も涙の日が落ちる

つらい時こそ、笑って乗り切ろうと考えているこの頃です。


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雪にも負けず

雪に関するエピソードはたくさんありますが、毎年のように思い出すことがあります。
それは、行政に出向しケアマネジャーをしていた頃のこと。
大雪が降った日は、一人暮らしの高齢者や高齢世帯の除雪を行っていました。
社会福祉協議会のスタッフとも協力し、3~4人で1グループを作り、それぞれが数件を受け持ち、ヘルパーさんやデイサービスの車両が入るスペースを確保する。
大変だったけれど、いい経験をさせてもらいました。
*現在も同様のことを行っているかは不明です。
デイサービスに勤務していた時も、訪問看護師をしていた時も、大雪の時は大変でしたね。
雪道の車椅子介助、ホワイトアウトで運転が怖かったこと、大晦日の大雪の夜に緊急訪問したことなど。。。
色々なことが懐かしく思い出されます。
笑えたのは、山間地の細い坂道を下っている時にネコが道の真ん中を歩いていて、(雪で道幅が狭くなっているので追い抜くことができない)クラクションを軽く鳴らしたら、ネコが立ち止まって振り向き、しばらく私を見てから端に寄ってくれました。
思わずネコに「すみません。」と頭を下げてしまいましたが、立ち止まってから振り向くまでの「間」が絶妙だったことを覚えています。
現在の私はというと、訪問や送迎の仕事をするスタッフに事故が無いよう祈るだけです。
雪にも負けずに頑張って欲しいな。
 
 
*すごいツララですね。
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手術室と褥瘡対策

 一般的に褥瘡といえば、寝たきりで高齢の患者さんか、がんのターミナルステージの患者さんというイメージを持つと思います。

しかし、実際は歩行ができる患者さんや、年齢の若い患者さん(時には小児)も褥瘡になってしまう場合があり、手術中も予防対策が必要です。
患者さんは裸の状態であり、身体は動かせません。
体位は仰向けだけではなく、うつ伏せや横向き、座ったような状態など特殊な体位を取ることの方が多く、時には手術台ごと身体が斜めになったり、頭側が下になったりすることもあるのです。
どのような体位を取るかは事前に分かっているので、圧やズレが発生する部位に予防対策を取っており、手術室の看護師に全面的に頼っていました。
「気になっているけど相談がないと介入し難い。。。」認定看護師に共通する悩みです。
手術室での体位の取り方については、説明を聞いて何となくイメージは沸くのですが、やはり実際を見てみないと気が付かないこともあると思い、手術に何度か立ち合わせてもらいました。
立ち合わせてもらったことで分かったことや、
全身の体圧が測定できる器械を使用して集めたデータを基に、
医師や手術室、病棟看護師との連携で、よりよい褥瘡対策ができるはず!
簡単にはいかないと思いますが、皆が納得した対策を取れるようにしたいと考えています。
手術中の褥瘡対策。。。
全力で取り組みます。
 
*新病棟4Fから見た北アルプス
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科学的スキンケア

先月下旬に視聴した安部先生の講義に大満足したので、視聴できなかった方のために、
ポイントのポイントをお知らせします。
スキンケアって簡単に言いますが、看護師は「科学的スキンケア」を
行いたいものです。
「皮膚疾患をふまえた科学的スキンケア」
内容は、1.スキンケアとは2.皮膚の構造3.皮膚の変化と疾患4.皮膚と真菌症
5.皮膚の治療薬6.皮膚の正常を保つために でした。
どれも大切で覚えて欲しいのですが、ポイントをひとつだけ挙げるとしたら、
私は皮膚の生理機能を推します。
「皮膚の生理機能は、バリア・保護機能や体温調整、知覚、分泌・排泄、
コレステロール・ビタミンD3合成、サイトカイン、呼吸、吸収作用がある」
「高齢者の皮膚の特徴として、表皮の菲薄化と表皮突起の平坦化、真皮乳頭層の毛細血管係蹄の消失が見られ、皮膚分泌の減少、セラミドや天然保湿因子の減少が起こりバリア機能が低下する」
「真皮の老化は、生理的老化と光老化の2つのメカニズムが存在することで引き起こされる」
「皮膚におけるバリアには、物理的バリア・科学的バリア・免疫学的バリアがある」
「スキンケアにはドライスキンのケアと湿潤創面へのスキンケアがある」
患者さんの皮膚を守るケアを実践するためには、生理機能の正しい理解が必要です。
清潔や排泄ケア時に使用する、洗浄剤や保湿剤などを購入していただく時や、
退院後のケア方法について、患者さんやご家族にきちんと説明するために、
必要な知識のひとつなのです。
もちろん、患者さんだけでなく自分の美肌(?!)を保つためにも。。。
 
 
*函館の八幡坂。夜は幻想的ですね。
いつもありがとうございます。  WOCN ふりはた
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謹賀新年

2016年が始まりました。
今年当院は、電子カルテのバージョンアップ、新病棟への引越し、病院機能評価受審などのイベントを控えています。
タイミング良く(!?)診療報酬改訂もあるため、私としては専門領域の情報収集も欠かせない状態です。
大変そうに見えるかもしれませんが、色々なことを見直し、より良い方法を検討するチャンスでもあるので、これを最大限に活かそうと昨年から準備を進めています。
せっかくのチャンスだから、活かさないともったいないですよね!

苦労が実を結び、良い年だったと思えるような活動をしますので、
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


*災難を代りに受けてくれ、願いを託し叶えてくれるというお守りの「身代わり申」です。
申年の今年は身に付けていようかな。

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あなたの声が聞きたくて。。。

今年最後の学びは、e-ラーニングによる「皮膚疾患をふまえた科学的スキンケア」で、
安部先生が講師でした。
あえて視聴期間の最終日に視聴し、(理由はヒミツ)
いつも通り期待以上だった内容に「やっぱり最後にとっておいて良かったなぁ」と
思っているところです。
内容については、次回以降に投稿しますね。
自己研鑽のために、関連学会や各種セミナーに参加する機会も多いのですが、
「タイトルと内容が違う」とか「期待していたのに。。。」と少しがっかりしてしまうことも時にはあります。(自分のことを棚に上げてスミマセン)
先日、院内発生の褥瘡患者さんがいる病棟の看護師に、「気をつけていたのにショックです。」
「対策も取っていたのに悔しいです。」と言われました。
スタッフにそんな感情を抱かせてしまったことを申し訳なく思い、
何が不足していたのか考えられることを伝えました。
スタッフの中には、色々な感情を表出できる人がいますが、中にはできない人もいます。
ラウンド中に本音を聞かせてもらえると、参考になることが多いので、
できれば色々な想いを聞かせて欲しいと、いつも想っています。
私の使用している電子カルテの上には、
「あなたの声が聞きたくて お耳が こんなになりました」と書かれた、
かわいいウサギのイラストを飾ってあります。
認定看護師として大切にしたい気持ちなのです。
 
*新病棟7Fから見た北アルプス
今年もあと3日。
よい年をお迎え下さい。
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ふりはた版今年の漢字

今年の漢字は「安」でしたね。
安といえば、安曇総合病院の「安」。。。
4月に名称変更したばかりですが、懐かしく感じられます。
私が今年の漢字を選ぶとしたら、「挑」か「夢」ですが、
どちらかといえば「挑」かな?
考えたら、認定の受験をしようと決めた時からずっと、挑むことの連続でしたが、
今年は特に挑むことが多かったように思います。
印象に残っていることを挙げるとしたら、精神科病棟でのおむつ製品変更と、
コンチネンスサポートチーム活動の開始、一般科病棟でのおむつ定額性の導入、
褥瘡管理対策研修を、地域住民のための健康公開講座と合同開催にしたことでしょうか。
ただしこれらのことは、「開始出来て良かった。」で終わることではなく、
来年以降も継続し、発展させることの方が大切で、困難なことだと考えています。
協力してくれるスタッフやメンバーと一緒に、より良い方向へ進んで行きたいですね。
みなさんにとって、今年の漢字って何になるでしょうか?
 
 
*10月に行った函館の写真です。
タクシー運転手さんの趣味が写真とのことで、色々な場所で写真を撮ることが出来ました。
たまたま乗ったタクシーの運転手さんが、観光案内以上のことをして下さったおかげで、
思い出に残る旅となりました。
仕事の範囲を超えたサービス。。。
「担当してもらって良かった。」と思われるようになりたいですね。
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人にやさしいポジショニングっていいね!

 12月上旬、飯田市訪問看護ステーションの近藤先生をお招きし、

「人にやさしいポジショニングって、なーあに?」
-人の身体の構造から考えるポジショニング-と題して褥瘡管理対策研修を行いました。
地域住民のための健康公開講座と合同開催のため、介護保険施設やケアマネジャー、
地域包括などにも案内を出し、大勢の方々にご参加をいただいたので大変嬉しく思っています。ありがとうございました。
 
前半の講義では、人の身体を顔・胴体・右腕・左腕・骨盤・右足・左足の、
7つの塊に分けて考え、それぞれの繋がりや位置関係の姿勢を評価すること。
骨盤を中心に体軸を整え、ゆがみを直すことが大切であること。
身体の骨格に沿うように広く支え、クッションに重さをかけることなどを分かり易く教えていただきました。
ゆがみを直さずにクッションを入れ込むと、患者さんや利用者さんに苦痛を与えることになるため要注意!
ポジショニングの効果は褥瘡対策だけでなく、呼吸や循環機能の改善や、
嚥下機能も助けるのです。
すごいですよね~。
更に、拘縮の予防や改善によって、排泄ケアや更衣が安楽になるため、
スタッフや介護者、患者さんや利用者さん双方にとって、良いことずくめなのです。
 
*写真の掲載については、先生の許可を取ってあります。
後半の実技では仰臥位と半側臥位を行い、グローブを使用して重さの確認も行いました。
後ろの席の方にも見えるようにカメラで投影しましたが、「カメラを活用して見やすくて良かった。」と好評でした。
参加者の真剣な眼差しや、「良い研修をありがとうございました。」といった意見があり、
研修を企画して本当に良かったと安堵しましたが、
長野の合言葉「手抜きはせずに、背抜き・尻抜き・踵抜き」を遅ればせながら、
当院や地域でも流行らせたいという気持ちが強くなりました。
 
いつもありがとうございます。  WOCN ふりはた
 
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MDRPUとスキン-テア

 11月下旬、医療機器関連圧迫創傷(medical device-related pressure ulcer:MDRPU)やスキン-テアに関するセミナーに参加しました。

医療機器関連圧迫創傷。。。
聞きなれない用語かもしれませんが、褥瘡学会では平成23年から予防について、
スキン-テアは、WOC学会で平成25年から予防と管理に取り組んでいます。
医療機器関連圧迫創傷は、治療目的で使用した医療用ストッキングや、ギプス・シーネ、
酸素マスクなどの装着が原因で発生します。
治療に必要なことなので中止することも難しく、発生部位を注意深く観察すること、
医療機器についての正しい知識を持つことなどが大切!
テアは学会から予防管理についてのベストプラクティスが発売されました。
(是非読んで下さい)
先日看護補助者さんへ学習会を行いましたが、スキン-テアについても少し盛り込ませてもらいました。
テアが起きやすい皮膚状態は、菲薄(ひはく)・浮腫・皮下出血・ドライスキン。
当院の入院患者さんは高齢者が多いので、多くの患者さんが当てはまります。
転倒・転落や、ベッド柵にぶつけた、入浴や清拭時、車椅子移動介助の摩擦・ずれ、などが原因で起こるため、補助者さんにも注意して頂く必要があるのです。
テアは院内だけでなく、在宅や施設でも発生するため啓発活動も大切ですね。
先日の公開講座の資料を地域へ送付する時に、「テアの資料もつけちゃえ」と
密かに計画中です。(投稿したので、密かではないか!?)
 
 
*学会から送られてきたポスターを事務所の棚に貼っています。
セミナーの質疑応答で、「WOCに踵(かかと)の潰瘍を見てもらったら、褥瘡でないと言われました。」といった質問がありました。
私も、踵に限らず褥瘡ではない皮膚トラブルについて、
「これは褥瘡ではなくて〇〇だね。」と伝えることがあります。
アセスメント内容を伝えてはいますが、理解できなかったスタッフは同じような印象を持つかもしれないと感じました。
「分かり易く短い言葉で伝えること」って難しいですね。
よい勉強になりました。
いつもありがとうございます。   WOCN ふりはた
*前回の投稿から時間が掛かってしまいました。投稿したいことはたくさんあるので、今月は頑張って投稿しますよ。
 
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健康公開講座のお知らせ

 12月3日(木)18時~外来棟1Fホールにて、褥瘡管理対策研修会を開催いたします。

「人にやさしいポジショニングってなーあに?」
―人の身体の構造から考えるポジショニングーと題して、ポジショニングの基礎について、
飯田市立病院理学療法士の近藤先生に講師をお願いしました。
先生は、褥瘡学会認定の「褥瘡認定師」の資格もお持ちで、学会やセミナーなどで
よくご講演をされていらっしゃいます。

私が昨年、ポジショニングセミナーを受講した時に、
「来年、当院でご講演をお願いできないでしょうか?」と伺ったところ、
快諾していただき今回の運びとなりました。
(参加前からお願いしよう!と決めていたのですが。。。)

職員以外にも地域住民の方やケアマネジャー、介護保険施設に勤務する方や、訪問看護師の皆さんにも案内をさせていただいています。
師走の忙しい時期ですが、ポジショニングについて理解を深めて頂き、
自力で体位変換が出来ない患者さんや利用者さんが、少しでも快適に過ごせる日が来ることを願っています。


*写真は、秋田の居酒屋さんから持ち帰った割り箸の箸袋。
色々な地方の方言で「ありがとう」が書いてあります。
個人的には、「だんだん」がやさしい響きで好きですね。

いつもありがとうございます。   WOCN ふりはた