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WOCNフォローアップ研修

病院祭前日にフォローアップ研修へ行ってきました。
県看護大学の1回生と2回生が対象でしたが、県内の先輩WOCNや
山梨県からも数名参加されていらっしゃいました。
内容は、「WOCにかかわる医療マネージメント」
「皮膚・排泄ケア認定看護師の活動の拡大と活用」
高水 勝さんと南 由紀子 WOCNが講師です。

「褥瘡関連項目に関連する指針」は読み込んでいますが
基本的なこと、「立ち入り検査」は(医療監視)医療法25条
人員・組織・施設・設備の検査を実施する。(診療報酬は関係ない)
「指導・監査」は(健康保険法)診療報酬の基本的な運用であり
「レセプト審査」は毎月のレセプトの運用で
月末に締めて翌月10日請求し、翌々月の21日払いのことを指します。
それぞれの違いを初めて知りました。
褥瘡関連は医療法にないため関与はありませんが、
適時調査は全ての病院に調査が入る可能性があります。

3つを混同していたので、今後の記録や運用についての参考になりそうです。

高水さんの資料は229ページ、スライドにして450枚以上もありました。
盛りだくさんの内容でしたが、ポイントを押さえた講義は楽しく、
必死でマーカーを引きメモを取りました。

南先生の講義では、在宅褥瘡保有者の変化や
訪問看護師の褥瘡ケアのモチベーション向上などの成果のご報告が
大変勉強になりました。
経験知でのケアではなく根拠に基づき、自信を持ってケアができることは
大事なことです。
自信が持てると仕事が楽しくなり、良い方向に物事が動き出すと思います。
良い方向へ持っていくだけの力(実力だけではなく運も含めて)を
持ちたいですね。

研修当日は、友人達と待ち合わせをして会場入りしましたが、
開始時刻よりも1時間も早く到着したため、急遽松本城見学を行いました。
(研修会場から徒歩で5分程度のところだったため)
青い空と松本城がとても綺麗だったので思わず写真を撮ってしまいました。


いつもありがとうございます。     WOCN ふりはた
 
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For you

毎年1月になると、新人看護師の成長を感じます。
私は「新人看護師には特別に優しく指導すること」をモットーにしていて、
新人研修の際には必ず伝えます。
期間限定で新人だけに与えられた特権です。
特別に優しく指導するというと、少し語弊がありますが、
「優しく」という言葉に集約されると思うため、「優しく」と言っています。
特別に優しく指導する理由は。。。
 
認定看護師研修の共通科目であるリーダーシップの講義で、
「ブラインドウォーク」を行いました。
何をしたのかというと、まず2人1組になって1人は目隠しをします。
この時のペアは同じ分野ではなく、別の分野の受講生で、
私の場合は感染管理の男性受講者でした。
教室内を机や椅子で障害物を作り、言葉だけで室外に誘導しますが、
身体に触れても良いのは危険な時だけなので、的確な指示が必要です。
学習のねらいとしては、「効果的な指示方法」なのですが、
そのことは知らされていないので、ゲーム感覚で楽しく行えました。

役割を交代し、お互い気が付いたことなどを伝え合った後に、
初めて講師から、「新人看護師はこのような状態である。」ということを聞き、
指示について学ぶ講義だったということが分かるのです。
あの時に「今日の気持ちを忘れずに、ガイドを務めた時のように指導をしよう!」
「全く分からないのだから、特別に優しく指導しよう!」と決め、実践しているつもりです。

新人の成長に喜びを感じながら、私自身は成長できているのか、
とても気になる今日この頃なのです。

 

写真は、昨年北海道大学札幌キャンパスで撮影したクラーク博士の銅像です。
クラーク博士といえば、「少年よ 大志を抱け!」が有名ですがこの言葉の後には、
「お金のためではなく 私欲のためでもなく 名声という空虚な志のためでもなく 
人はいかにあるべきか、その道を全うするために、大志を抱け 老人のように」と
続きます。しかしクラーク博士の言葉か否かについて、諸説あるようです。

いつもありがとうございます。    WOCN  ふりはた
 
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きれいだね

先日久しぶりに、訪問看護師とオストメイトの自宅へ同行訪問をしました。
目的は装具変更を行ったため、評価をすることと訪問看護師への指導です。
普段、オストメイトの自宅へ訪問することは、殆どありませんが
通院困難な状況で必要があると判断したため、何回か訪問させていただいています。

看護師が介助をして入浴を行い、その後ストーマ装具を装着します。
入浴の様子や着替えの様子を、何気なく観察していたところ、
「垢すりで擦らないと気が済まない。」とおっしゃっていた方が、手のひらで泡洗浄をされ、保湿剤も入浴後に丁寧に塗っていらっしゃいました。
私がいるから意識したわけでなく、普段から行っていることや
乾燥して痒みがあった皮膚が、良い状態であることが分かりました。
やはり、日々の継続は大切ですね。

加齢によるシミやシワ、皮膚のたるみなどがあっても、
トラブルのない皮膚はとても綺麗です。
「なんて綺麗なんだろう~。」とつい見とれてしまいました。
 
(京都タワーです。霧のためか、幻想的で綺麗だったので撮影しました。)

外的刺激から守ってくれている皮膚に感謝をしつつ、
私もハンドクリームやボディークリームを毎日塗っています。
ちなみに、塗る方向は皮膚のキメに沿って、横方向に塗ることがポイントです。
CMで女優さんやモデルさんが縦方向に塗っているのを見て、「間違ってるっ!」と
密かに思っていますが、製品の宣伝なので仕方がありませんね。

いつもありがとうございます。   WOCN ふりはた
 
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もんげ~!

最近、医学書や医学雑誌を読む機会があり、先生方にお借りして勉強しました。
「お持ちでしたらお借りしたいのですが・・・。」と厚かましいお願いをしたところ、
書籍は、前任の後期研修医が寄贈してくれた2冊をお借りし、
医学雑誌は、「医局に置いてあるから、勝手に持って行っていいよ。」と
言っていただき本当に助かりました。
さすがに勝手に持って行く訳にはいかないので、
後期研修医と一緒に医局に入り、数冊持ち帰りましたが。。。

挨拶程度しか言葉を交わしたことが無い医師にも、図々しいお願いをしましたが、
お二人とも直ぐに探して下さり、コピーや付箋を付けた状態で届けていただきました。

今回、書籍をお借りして「先生方ってもんげ~」と痛感し、医師の豊富な知識や、
勉強熱心な所、とても親切なところを目の当たりにしました。
いつも見ているのに、慣れてしまって鈍感になっていたのでしょうか?
先生方の良いところを、私も見習った方が良いですね。

分からないことなどは、遠慮せずに良く分かる人に聞くのが一番なので、
医師やコメディカルなど、話をしたことがない人でも気軽に声を掛けて、
相談するのがベストです!きっと優しく教えてくれますよ!
自分が相談する立場になってみて、改めて感じました。


いつもありがとうございます。   WOCN ふりはた
 
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未(ヒツジ)は未だ!?(マダ・イマ)

昨年4月、看護部全体集会でプレゼンをした時、

「みんなで見る夢は一味違う。」と伝えました。
ベストセラーになった書籍の中に書かれていた言葉で、あの頃一番心に響いた言葉でした。
「一人でみる夢は、それは夢にしか過ぎない。しかし、みんなで見る夢は現実となる。」
プレゼンでは、夢を現実にするための具体的な方法を示し、
夢のひとつ(褥瘡新規発生率目標値の達成)が現実のものとなりましたが、
日々実践してくれているスタッフの努力と、患者さんの治癒力のおかげだと思っています。
感謝!感激!です。
今年度は残りあと3ヶ月ですが、維持できることと信じています。

次年度の夢のひとつに、
「外部講師を招いて褥瘡関連の地域公開講座を開き、成功裏に終わること」があります。講師の先生は快諾して下さったので、
専門医の講演を聞く機会が少ない方が気軽に参加できる場の提供と、
褥瘡やポジショニングについて正しい知識を持って頂くこと、
講座をきっかけに地域連携の推進を図ることなどを考えています。
日程等決まり次第お知らせしますので、楽しみにしていてくださいね。
 
 

年末に同じ書籍を読み返したら、「背伸びしなきゃ見えない景色がある」が
今の私にはシックリきました。
「思い切った行動を取ることで、失敗したり、恥かしい思いをすることもあるでしょう。しかし、今の自分を超える行動が、新しい景色をみせてくれます。」
分相応なんて消極的なことを考えず、無理をする位で丁度良いのでしょう。
失敗は成功のもと!
恥ずかしいと思う事自体が、恥ずかしい事だってある!
未だ見たことのない新しい景色を見られるように、そして活動の幅を広げられるように
頑張りますので、本年もどうぞよろしくお願い致します。

いつもありがとうございます。     WOCNふりはた
 
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Kiss&Cry

今年も残すところあとわずか。。。
一年間を振り返ると、ツイていた事とツイていない事、
良かった事と良くなかった事が、極端だった面白い一年でした。(私らしいのかな?)
ツイている時はWOCの神様に感謝し、
ツイていない時には「自分の好きなことができるのだから、こんなに幸せなことはない!」と
自分を励まして乗り越えました。
 
今年の漢字は「税」でしたね。
私が今年を漢字一文字で表すとしたら、迷わず「縁」を選びます。
対人関係だけでなく、色々な意味で良縁に恵まれた年でした。
通所施設で使用したかったエアーマットを寄贈していただいたり、
オストメイトが安心して利用できる事業所を探していたら、
介護施設に勤務するオストメイトや、オストメイトの介護者に出会うことができました。
場所は名古屋に縁があり、ためになる書籍やセミナーにも縁がありました。
 
逢いたかった人達にも出会う機会があり、長くお付き合いができるといいなと思っています。
親しくなれたきっかけは色々ですが、「袖振り合うも多生の縁」なのではないでしょうか?
 
別れもありましたが、縁があればきっとまた逢えるのではないかと考えています。
来年もまた良縁に恵まれることを期待して。。。
良い年をお迎え下さい。
 
写真は熱田神宮の「信長塀」です。
桶狭間の戦いの前に、熱田神宮に立ち寄り、必勝祈願をしたとされており、
勝利したあとお礼参りに訪れ、お礼として寄進したのがこの塀なのだそうです。
土と石灰と油で練り固めた塀ですが、現存していることに感銘を受けました。
 
補足:キス&クライとは
フィギュアスケートの大会で、演技を終えた選手とコーチが採点の発表を待つための場所。
高得点が出た時はキスをする程の喜び、
クライは低得点だったときに悲しんだりすることの象徴。
 
いつもありがとうございます。       WOCN ふりはた
 
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大人気の理由

 前回、安部先生のセミナーを受講したことを投稿しましたが、今回は続編で

セミナー会場の雰囲気や、私が感じたことを投稿させていただきます。
今回のセミナーを受講するまでは、正直なところ「セミナーに行かれない人は書籍を購入して、読み込むのもありかな~」なんて思っていました。
しかし、受講してみると「この楽しさを実感した方が良い!」と考えが変わりました。

 

1日しっかり学習できるのですが、内容に飽きるようなことは全くなく、
程よい緊張感で集中できました。
飽きさせないのは、講義内容が分かりやすく、ためになることはもちろんですが、
トークが楽しく笑えること、先生が現場の看護師やケアスタッフのことを理解して下さっているのが感じられること、声が聞き取りやすく話すスピードも丁度良い、などの理由が挙げられます。
他にも、1~4まで分かれたperiod が終了する毎に、知識の確認として問題が出題され、最後まで残った人にはプレゼントが待っているという企画もいいですね!
理解度の評価という点で、知識の確認は大切なことなのです。
難しい問題ではなく、講義を聞いていれば分かるのですが、関係のないことも出題されるため、(例えば自民党本部の売店で売っていない物とか)意外性があっていいと思います。
起立したまま7秒間で答えを考えて、グー・チョキ・パーで答えを表し、間違えたら着席するので会場は盛り上がっていましたよ~。

セミナーの休憩中や質疑応答の時間は、たくさんの質問があり
先生はひとつひとつ丁寧に答えていらっしゃいました。
質問が出るのは内容を理解している証拠であり、気軽に質問ができるという雰囲気も、
先生のお人柄を表しているのでしょう。
実践しているケアに疑問を感じることや、より良いケア方法について考えるのは、
素晴らしいことなので聞いていて嬉しくなりました。
私も質問内容を聞くことで現場の悩みや疑問が分かり、勉強させていただきました。

 
セミナーをきっかけに、外用療法やWOC領域、皮膚科学について興味を持って下さる方が増えてくれるといいですね。
まずは、同僚や友人にセミナー内容を伝えることから始めて欲しいです。
帰りの新幹線から見えた満月のように、とても満ち足りた気持ちで帰路に就きました。

いつもありがとうございます。     WOCN ふりはた
 
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外用療法指導は難しい!?

 先日、安部先生の外用療法についてのセミナーを受講しました。

講義の中にもありましたが、私も大事だと思っているのが、
外用薬(ステロイド剤)の使用量について。
「フィンガーティップユニット FTU」です。
5g入りチューブの場合、人差しの腹側に、指先の先端から第一関節までの
長さだけ出した量が約0.5gなので、それを手のひら2枚分の広さに塗るのが適量であり、
1FTUとなります。
容器入りのステロイド剤の場合は、大豆1個分が1FTUに相当する量です。
保湿剤は、グリーンピース1個分で手のひら1枚分。
サンスクリーン剤は、パール2個分を顔面全体に塗ると効果的と言われていますが、
正確な量ではないため、大体の目安として捉えると良いと思います。

ステロイド外用薬の場合、顔面や陰部、乳幼児や高齢者、皮膚のバリア機能が破綻している状態では、吸収率が高くなることで副作用が出やすくなるため注意が必要です。
 

セミナーの最後に「パール大はどれ位の大きさなのでしょうか」という質問がありました。
花珠と言われるような高級パールをイメージするのとしないのでは、差がでるため
とてもいい質問だと感じました。(パール大は6~7mm程度)
先生の資料や書籍では、大豆の写真と外用薬を並べて比較しているので、良く分かりますが、
実際は、口頭で指導されても忘れてしまったり、自己判断で量を決めている患者さんが多いと思われます。
適切な量を塗布することが肝心で、治療の効果はセルフケアに左右されることもあり、
丁寧な指導することは、とても大切なのです。

これから手荒れが気になる季節になりますが、1日4回以上塗布することで
有用性が上がるそうです。
手洗い後は水分を良く拭き取り、ハンドクリームを塗布して、綺麗な手を保ちたいですね。
難しいと思った方は、出勤前や昼食前後、帰宅時、就寝前など続けられそうな
時間帯で試してみたらいかがでしょうか?

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患者さんからの学び

当院が契約している寝具のリース会社さんには、ボックスシーツがないため、
苦肉の策として、サイズの大きなシーツを体圧分散マットレスに使用しています。
小さなシーツを使っていた時は、「端を縛る」という褥瘡対策としてあまり良くないことを行っていました。
シーツを縛ることで体圧が上昇し、マットレスの効果が減少することを学習会で説明し、
リース会社さんとも何度も何度も打ち合わせをして、
大きなサイズのシーツをリースするようになりました。

特別問題もなく、大丈夫だと思っていたのですが、ベッドアップをした時などは、
シーツが大きいことでかえって患者さんに不快感を与えていたことが、今回初めて分かりました。

ある患者さんの病室を訪問したところ、
「シーツがずれて、気持ち悪い。」との貴重なご意見をいただいたので、
体圧分散マットレス専用の、ずれ難いボックスシーツを購入する方向で、
検討しています。

エアーマットを使用している患者さんからは、使用感などをお聞きすることが難しい場合が多いので、今回のご意見を褥瘡対策の参考にさせていただくつもりです。
その患者さんには、他にもご意見をいただいたので、
「良い方法を考えること」「また、お話を伺いに来る事」を約束し、
退室しました。

患者さんから学ぶことはとても多く、よくお話を聞かせていただこうと
思いを新たにしました。
 
 

写真は、京都のお寺で撮影した三鈷の松です。
葉先が三つに分かれている珍しい松の古木と説明がありました。
三鈷は智慧・慈悲・真心を表し、この松の葉を持っていると三つの福が授かると言われているそうです。
あやかりたいですね。
ブログを見てくれている皆さんにも、福が授かりますように。。。

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課題がまたひとつ。。。

 今月中旬に排泄管理セミナーを受講しました。

目的はABCD-Stomaの活用についての知識を得るため。

「ABCD-Stoma」とはストーマ周囲皮膚障害の重症度評価スケールで、
活用のメリットとして、共通言語で皮膚障害を評価できることや、
障害の重症度を点数化できること、
ケアの効果を得点によって評価できることなどが挙げられます。
「ABCD-Stomaケア」は必要なストーマのスキンケア方法を導き出すツールです。
全身状態からのアプローチと皮膚障害からのアプローチがあり、
原因・要因・チェック項目・ケアから成りとても分かりやすいこと、
ケアの標準化が図れることが、スタッフだけでなく、オストメイトに対しても
有益であると以前から考えていました。
セミナーの伝達講習を行った後、
スタッフと相談して、今後使用していくか検討したいと思います。

オストメイトのためのABCD-Stomaもあり、
使用することで、指導や説明に対する理解が深まり、ストーマや周囲皮膚のケアが
丁寧になることを期待しています。
オストメイトが負担にならないような活用方法を考えたいですね。

講師のWOCNが、学習システムの構築についても述べていらっしゃいました。
「最新の知識をアップデートできる環境つくりも重要」とのこと。
私も同感ですが、できればスタッフが主体的になって欲しいと思っています。
電子カルテのテンプレート作成などもそうですね。
環境つくり。。。大きな課題です。

 

セミナー会場から程近い増上寺と東京タワーに立ち寄りました。
東京タワーはパワースポットなのだそうです。


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近そうでまだ遠い!? ポジショニング

先日、長野県褥瘡懇話会にて田中マキ子先生の「安全・安楽をめざすポジショニング」
を受講しました。
今年度ポジショニングの研修はこれで4回目。。。
しっかり学習したので、自分ではかなりポジショニング理論・実践に近づいたつもりで
いました。しかし、田中先生の講演を聞き、まだまだ勉強不足で実践が足りないと反省。
 
仰臥位の場合、肩下の隙間にはピローをしっかり入れるのが一般的だと思います。
先生の講義では、「肩・上肢が動くようにピローを挿入。(腋下に斜めに入れる)
ピローは重力が働く方向を考える」とのこと。
「ピローを抱え込みやすいということは、力が入り、それによって拘縮や固定に繋がる。
クッションの重さを利用し、重力により下側へ引っ張られることで、腋が開き
拘縮がゆるむようにピローを入れた方が良い」のです。
重力のことは考えていましたが、ピローの重さを利用するとは考えていませんでした。
「簡単に分かりそうなことなのになぁ~」とため息がでました。

他にも常識への疑問として、手指の屈曲拘縮への対応にハンドタオルを握って
頂くようにしていますが、「握りこむことで把握反射が亢進し、(手背に力が入り)
前腕の筋緊張から肘が屈曲してしまうため、握りこめないようにソフトボール大の
物を握って頂くこと」が有効だそうです。

 

色々な方法がありますが、やはり最終的には患者さんの表情やバイタルサインの観察、
ポジショニングの評価を正しく行うことが肝心なのだと改めて感じました。
(当たり前のことですね)
患者さんにあった方法を継続すること、スタッフが統一したケアができること、
目的にあった用具を正しく使用すること、
そして何よりも実践してみることが大事ですよね。

近そうでまだ遠いポジショニング。。。

いつもありがとうございます。     WOCN ふりはた
 
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災害対策についての課題

先日、県内初のオストメイト健康・医療講習会・相談会が開催されました。
講習会の中で、「福祉避難所」についての話があり、知らなかったことなので
早速調べてみました。
福祉避難所とは・・・
「高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児、病者等、一般的な避難所では生活に支障を来たす」人たちのために、「何らかの特別な配慮がされた避難所」です。
開設したときには、要援護者に配慮したポータブルトイレ、手すり、仮設スロープ、情報伝達等の器物、日常生活上の支援を行うための紙おむつ、ストーマ用装具等の消耗機材の費用などは国庫負担になります。
病院近くの自治体がどうなっているのか分からないので、
担当の方々に教えていただくようお願いしました。

普段からオストメイトには災害対策用に装具一式を、非常時に持ち出せるよう指導しています。
防水の袋に入れる必要があることが分かり今後は、濡らさない工夫も必要であることを
付け加えたいと思います。
他にも東日本大震災の時に、危険な地域の配達を引き受けて下さった、
協会員が所属する業者さんの存在を初めて聞きました。
仲間のためとはいえ、なかなかできることではないと思います。
聞きながら涙がでそうでした。
津波被害もあり、半数の方が装具を持ち出すことができなかったそうです。

JOAでは震災4日目にストーマ装具等を積んだ車が出発し、
5日目には8千人分の装具が現地に到着。
7日目には被災者の元へ届けられたとのことでした。
装具を持ち出せなかったオストメイトにとっては、長い1週間だったことでしょう。
避難所や病院での備蓄について、早急に考えなければいけないと痛感しました。
参加したオストメイトからは、「来て良かった。」
「いい話を聞くことができて良かった。」と感想をお聞きしましたが、
私の方が良い勉強をさせていただいたように感じています。
貴重なご意見を聞かせて下さった、オストメイトの皆さんのご期待に
応えられる様に頑張りますね。

いつもありがとうございます。   WOCN  ふりはた
 
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寝ても覚めても。。。の2日間

7月上旬にポジショニングセミナーを受講してきました。
6月も「ポジショニングのコンセプトと原理」のセミナーに
参加したばかりですが、今回のセミナーは実技や実践が中心のセミナーなので、
2人や4人一組でしっかり学習できました。
 
講師は理学療法士で
フェルデンクライス・プラクディショナーの伊藤先生です。
人の動きや、重力が与える影響といった、
看護師がとても苦手な分野を分かりやすく、講義と実技で示して下さいました。
 
 
重くなっている部位があるということは、軽くなっている部位があります。
重さが移動していることを理解し、褥瘡が悪化しないような
ポジショニングが必要です。
正しいポジショニングは褥瘡予防だけでなく、
呼吸や血流、筋緊張の改善を図り、睡眠や消化に良い影響を与え、
安楽な状態を提供することができます。
分かっているけれど、実践するのが難しいポジショニング。
特に「重力」の考え方が難しい。空間の中でどの位置にあるか。。。
伊藤先生にそのことを話したら「慣れですよ」と言われました。
空間認知能力がなく方向音痴の私には難しい訳です。
 
今回のセミナーは、参加者全員が夕食付の情報交換会へ出席し
有意義な時間を過ごせました。
参加者の殆どがセラピストで、「褥瘡対策委員なので参加した」
と言っていたのがとても印象的です。
病院に戻ってから早速セラピスト数人に、セミナーに行ってきたことを話して、
WOCNなのにセラピストとあまり連携できていなかったことを反省しているので、
これからは連携したいと考えていること、ポジショニングについて
看護部のレベルアップを図りたいので力を貸して欲しいとお願いしました。
褥瘡に関心が高いセラピストが大勢いるので、私はとても心強いし、
助かっています。
 
伊藤先生が「時間はかかるかもしれないけれど、できることから始めればいい」
と講義されていたので、まずは簡単なことから始めます。
簡単なことほど、徹底するのが難しいのですが。。。
 
 
モデルは私です。下肢の間にクッションが2枚入っています。
クッションが高すぎるように見えますが、
低いと自分の足の重さで引っ張られるような感じで苦痛でした。
とても心地よくて眠くなりましたが、これが理想ですね。
 
いつもありがとうございます。   WOCN ふりはた
 
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新人准看護師研修

毎年、看護協会主催研修のインストラクターを務めています。
参加者は20名程度なのですが、ポジショニングやおむつのデモンストレーションもあり、
短時間でどこまで指導できるのかが悩ましいところ。。。
今年は参加者の反応がとても良く、ついあれもこれもと関連したことを教えたくなり、
時計とにらめっこしながら指導をしていました。
ポジショニングの際は、「電度ベッドを動かす時は、身体の一部を触れながら行うと不安が少ない。」「触れても良い場所は、関節以外で身体の外側。」「四肢は上から掴むのではなく、下から支えるようにする。」など。
良い例と悪い例を示すと違いが分かり、患者さんの気持ちも少し理解できます。
「こんな良いクッションは使っていない。」「病院にはない。」といった声も毎年聞きますが、
物がないことを嘆くより、知識がないことを嘆いたほうが良いです。
知識を得たことでスキルアップを目標にしても良いし、他の方法などを考える力も出てくると思うので。。。
知識は邪魔にならない!
おむつもそうですが、ほんのひと手間掛けるだけで、差が出ることってたくさんあります。
さほど時間もかからないし、お金は全くかからない。
看護師の「手」は患者さんのために惜しみなく使って欲しいと、いつもいつも思っています。
減るものでもないので。。。
 
*撫でると頭が良くなると聞き、人目も気にせずたくさん撫でました。
いつもありがとうございます     WOCN ふりはた
 
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貴重な言葉の数々

先週、毎年金沢で開催されているセミナーに参加してきました。
特別講演に感銘を受けた私は、外科医や看護部長に内容を伝え、
購入した書籍も翌日には読破していました。
「がんになった臨床医からの提言~看護師のみなさんに伝えたいこと~」
がん患者になった外科医の講演です。
先生は、医療者が患者さんや家族に求める事と患者さん・家族が医療者に求めることにズレやギャップがあり、現在の医療の大きな問題点のひとつである。
それらを減らすためには、チーム医療の推進とお互いにフリをしていることに気づき理解する、信頼関係を気づくことが必要であると述べていらっしゃいました。
「患者になると何気ない一言が非常に気になる」
「患者に土日など休みはない」
「自分の病態全体を把握しているのは誰?」
「患者・家族不在の医療に近づいていないか?」
「医療者の思い込みで進めていないか?」
先生のお言葉一つ一つが胸に突き刺さります。
体調が良くない時は、同じ言葉を聞いても捉え方が違ってしまう。
一日の中でも気持ちが揺れ動き、訴えが変わってくることも。。。
そんな患者さん達を良く観察し、普段からコニュニケ―ションを取ることが大切なのだと思います。
性格や価値観などを理解できれば、ケアの方法が変わってくるので。
先生は、Da cosa nasce cosa 物事は思わぬ展開をするものだ
そのためには、日頃からやりたいことを考えたり、夢を持つことが重要!とも仰いました。
看護師全員に伝えたい言葉ですね。
 
いつもありがとうございます    WOCN ふりはた