精神科ブログ

2週間の実習を終えて

 今年度から東海大学6年の選択実習にあづみ病院が加わり、二週間の実習に参加させていただきました。一週目と最終日は本院の精神科、二週目の月・木曜日は在宅診療科、火・水曜日は白馬診療所にお世話になりました。私は精神科に少し興味があり、五年の大学病院での実習とは違う環境の精神科を見てみたいと思い選択しました。

精神科では外来での予診や、病棟で何人かの患者さんとお話をする機会があり、患者さんと直接会話をしたことが私にとってはとても勉強になりました。予診をとるのは思っていた以上に難しく、聞きたいことはたくさんあるのにうまく聞き出すことができず自分の会話力のなさに恥ずかしくなりました。そのあとに先生の診察を見学させていただくと、「こう聞けばよかったのか」「こういう受け答えをするといいんだ」と学ぶことが多かったです。病棟での患者さんとの会話でも同じような難しさはありましたが、逆に私自身のことについて質問されて話すこともあり励まされました。

精神科での実習は一週間と短い間でしたが、三週間くらい過ごしたのではないかと思うほど濃い一週間を過ごすことができました。
また、学生として患者さんに紹介していただき、たくさん「勉強がんばってね」と声をかけていただいたので、これから一層勉学に励もうと思いました。

精神科の先生方やスタッフの皆さんと話していると、ときどき心の中が分析されているのではないかとどきっとしましたが、皆さんとても気さくで優しくご指導して頂き充実した実習になりました。
本当にありがとうございました。 

東海大学医学部6年 須知慧子

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かまくら

 
精神科 雨宮です。作業療法(OT)室のバルコニーにかまくらが作ってありました。
今週末は寒波でさらに雪が降るらしいですが、転倒や交通事故に気を付けて頂ければと考えます。
先だって私も松本のあるぷすメンタルクリニックに出勤する際に路上で転倒しました。風邪もひいてしまいました。
雪などの際には無理せずに自宅にいることが大事ですね。できるかどうかは別としても。

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認知症の研修会

認知症治療の研修会。
かつてないくらい大勢の関係者があつまりました。
「もの忘れ外来での家族、患者からの学び」
北信病院認知症認定看護師、小林 理恵子先生



「認知症の神経心理学的アプローチ」
安曇総合病院リハビリテーション科浅野昌宏先生
 
テイストの違う2つのお話の組み合わせで好評だったようです。

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風光明媚な池田町

安曇総合病院は北安曇郡池田町にあります。


秋になると7色に紅葉する大峰高原の大楓・・・。
今はさわやかなグリーンです。

病院から車で10分ほどでたどり着きます。
春は奈良の吉野に匹敵するといわれる陸郷の桜の郷
夏はホタル祭りの開かれる花見(けみ)
秋の大峰高原の7色の大楓
北アルプスを望む景色だけでも素晴らしいですが、四季の見どころの多い風光明媚な池田町です。
美しい村連合にも加盟しています。

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「苦手だった精神科、今は…」

実は学生の頃から精神科という科目は苦手でした。専門用語には漢字や似たような言葉が多くて近寄りがたい雰囲気を感じ、実習で病棟にあげていただいた際には言葉は同じなのに文化や考え方が違う異国に放り込まれたような心細さを感じていました。

そんな苦手意識や不安を持ちながら研修を開始しましたが、研修医として学生時代よりも密に患者さんに接するようになったからでしょうか、ふたを開けてみると全くの杞憂でありました。病棟に入って周りを見渡すと、普通の会話をして普通にくつろいでいる患者さんたちの姿が目に映ります。時には興奮してなかなか疎通の取れなくなる方もいますが、それは決して永続的なものではなく、時間はかかったとしても落ち着いた後はちゃんと意思の疎通ができることを知りました。彼らには彼らなりの理由があって困っているからこそ今の訴えがあり、話が通じない・何を考えているのかわからないと言って耳を塞いでいたのは自分の方だったのではなかったか…と感じました。そんな気付きを与えてくれた病棟の患者さんたち、指導してくださった雨宮先生をはじめ上級医の先生方、外来・病棟・その他すべてのコメディカルの皆様方、いつも温かく見守っていただき、また院内での診療以外にも往診・施設訪問など数々の貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。

 

安曇総合病院 初期研修医2年目 浅妻正道

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佐久総合病院から初期研修の先生が来てくれました。

佐久総合病院の初期研修医の長谷川先生が当院精神科へ3日間ほど研修に来てくれました。
佐久総合病院での精神科研修の一部でオプションとしてだそうです。
当院へは北信総合病院、小諸厚生病院などからも初期研修医が精神科に短期研修に来てくれています。


「自分が働く病院の総合診療部の外来では、日によっては、その日に自分が診た患者さんのほとんどが精神的問題に起因した症状を訴える。
そのぐらい実感として精神科領域の問題は大きく、当然のことながら精神科領域へのアプローチを要求される機会が多い。自分で上級医と一緒に定期的に診させていただくこともあったが、患者さんとうまく関係を築く事ができず、申し訳なさを感じることが何度もあった。 今回の研修では3日間という短い期間ではあったが、つかせていただいた上級医のT先生がどのように患者さんや家族の複雑な思いを引き出し共感し、問題を整理して解決に向かう糸口を探すのか見させていただいた事が、かけがえのない経験となった。患者さんの資質に加えて周囲の要因も絡み合う複雑なケースが多く、改めて精神科医療は難しいと感じたのも事実だが、医療サイドが患者さんとその家族の持つ力をどれだけエンパワーメントできるかが重要なのだろうと感じた。ぜひ今回の経験を今後に生かしていきたいと思う。
今回の安曇総合病院での精神科研修でお世話になった関係者の方々に深くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。」

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認知症関係者研修会

東北福祉大学の矢吹知之先生(なんと安曇野市穂高のご出身!)をお招きして「在宅で介護する家族支援と認知症の理解」というタイトルでご講演を頂きました。

 
認知症はその定義からしても社会的な病気です。
家族は何故虐待をしてしまうのか・・というところからはじまり、どのような対応をすればよいのかというところまで興味深いお話をきくことができました。
ケア・介護は善きものであるという前程が家族を苦しめるているそうです。
うまく対応できない罪悪感から自己嫌悪となり自己攻撃(自傷や自殺、うつのリスク)にいたり、自分を攻める限界となると投影として攻撃的態度に転じ、身体的・心理的な虐待になってしまうとのことでした。
介護した人にしかわからない初期の戸惑いを緩和する支援としては怒りと恐れのネガティブな感情への共感と、今の状態を納得できる情報提供が重要だそうです。
そして家族だからこそうまくいく部分と、上手くいかない部分があり、それを見極めることが必要とのこと。
介護をつづけていると介護負担感も蓄積されていくそうで、情報提供にとどまらない中庸な家族会などで他の家族から賞賛がえられるような肯定的なフィードバック、地域の中で理想と現実を埋める社会資源の準備など介護と医療の専門職と地域が一体となって取り組むことの重要性も指摘されておられました。

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病棟茶話会

病棟茶話会で患者さん家族にいただいたスイカを振る舞います。

 
このような機会があると、入院患者さん同士が知り合いになるきっかけになりますね。

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摂食障害教室(後半)

摂食障害の家族のための摂食障害教室
当院通院中の方以外のご家族でも参加できます。
 
0261−62−3166(代) 心理療法家 矢口または中村まで

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摂食嚥下の勉強会

ST(言語聴覚士)さんが2人来てくれて病棟スタッフへの摂食嚥下の勉強会がありました。嚥下造影や嚥下内視鏡などのムービーも含めたレクチャーのあと、実際に様々な体験をします。
さまざまなトロミの濃さをかえたお茶の試飲とか、上むいて飲み込んだりとか、スプーンの大きさや量を変えて食べてみたり・・。
目を閉じて何か分からないまま食べ物を突っ込まれると、準備が出来ずうまく食べられないのを経験するなどなるほど〜と思うこともたくさん。
食事介助などで目の付け所がたくさん増え、ふだん疑問に思っていることもたくさん聞けました。

多職種で技術の相互移転がやりやすいのが病院のメリットですね。
言語聴覚士や歯科衛生士、栄養士などの専門職が近隣の施設や事業所にも出向いて講習会をおこなえるそうですので希望がありましたら病院まで問い合わせてください。

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公的セクター合同新年会

大町温泉郷で毎年恒例の安曇総合病院精神科部門と警察、消防(救急)、保健福祉事務所、行政職員(保健師など)、クリニックの先生などとの合同の新年会がありました。
精神障がいをもつ方の地域支援において逃げ場のない最後の砦である公的セクターどおし。
普段は厳しく文句を言いあっていても、飲み会では腹をわっての交流です。 
顔が見える関係になると普段の連携・協業もスムーズですね。

写真は新規スタッフの紹介。 精神科志望の研修医、看護師も大学病院や急性期基幹病院などから精神医療がやりたくてかわってきた面々です。
こうして若いスタッフが集まっているうちはまだまだ大丈夫でしょうか。

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平成26年度アルコール依存症臨床医等研修(医師コース)

 7月1日から4日まで神奈川県横須賀市久里浜にある独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターに研修に参加させて頂きました。

 
全国の都道府県、政令都市から精神保健福祉センターを通しておおよそ1、2名ずつ合計68名のアルコール関連障害に携わっている医師が集まって研修会が行われました。

 
その内容としてはタイトルだけ挙げてみても
 
『依存症精神医学、アルコール依存症者の心理社会的治療、アルコール関連問題の予防と介入、女性アルコール依存症、アルコール関連問題に対する社会医学的アプローチ、アルコール内科学、動機づけ面接、高齢アルコール依存症、アルコール依存症の薬物療法、再飲酒予防トレーニング、アルコール代謝酵素の遺伝子多型とアルコール依存症と癌、アルコール依存症と家族』と非常に多岐にわたっておりました。  
実際のアルコール関連障害の治療に携わっている身としては実に多くの知見を得ることが出来ました。
他にも医療全体で見たときに非常にマイナーである精神科の中でさらにマイナーな分野であるアルコール関連障害に、携わっている医師が集まり交流が持てたことは私にとって非常に得難い経験となりました。どこの施設でも困っていることや、自負していることそれぞれ違っていて勉強になりました。それと同時に非常にアルコール関連障害の治療の困難さや必要性を実感しました。実際の久里浜医療センターでのアルコール関連障害への治療やプログラム、勉強会を経験させて頂いたので当院での治療やプログラムにも活かしていける部分を研究したいと思います。また同施設でスタッフとして働いている私の大学時代
の同期にも会うことが出来たのは非常に良い刺激となりました。
 
また8月26日に安曇野庁舎で行われる『平成26年度アルコール問題研修会』でアルコール健康障害に対しての支援機関(医療・警察・消防・保健福祉・市町村・教育・障害福祉・自助グループ・回復施設)に向けて『当院のアルコール依存症への取り組み』というタイトルで講演会をさせて頂きます。
→詳しくは長野県精神保健福祉センター 
 
その際に一緒に講演をさせて頂く瀧村剛先生にも非常に多くの事をご指導頂きました。
(瀧村先生は厚生労働省がん対策・健康増進課  アルコール対策専門官で行政のアルコール対策に取り組まれております) 
 
安曇総合病院 精神科 雨宮光太郎
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慈恵医大の学生さんが見学にみえました。

慈恵医科大学の4年生の学生さんが3人ほど院外実習にみえました。
精神科には1日だけの見学でしたが、朝のカンファレンスから参加して頂きました。

私も学生時代は特権を利用してあちこちの病院や診療所などを見学させて頂きました。
学生や研修医のときのこと、特に自分が選ばなかった科の経験は印象深く覚えているものです。
現時点で精神科に特に興味があるわけではないようですが、これも縁ですので何かを感じとって帰っていただければと思います。
週末は白馬でスキーをして帰るとのことです。
地元にたっぷりお金をおとしてかえってくださいね。
(樋端)

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アジサイの花。

スタッフステーションの紫陽花。
だれかのこういう気遣いが嬉しいですね。
 
研修医が仕事中。

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認知症介護者家族の想いを知り家族支援を考える

 認知症疾患医療センターの関係者研修が創造生活環境の八田桂子先生を講師にお招きして開催されました。
院内や近隣の事業所などから支援者を中心に多数の参加がありました。
八田先生は自ら介護者でもあった経験を活かしケアマネージャーとして、またグループホームの運営をされるなどご活躍されています。
家族として専門職として、さまざまなジレンマを経験されたそうです。

家族もまた、とまどい・否定→混乱、怒り、拒絶→あきらめ、割り切り→受容とプロセスを経て介護に前向きになります。
家族に対しては一人で抱え込まないことを、専門職に関しては本人の暮らしをささえている家族を支えなければそもそも本人の暮らしが成り立たないのだから家族のアセスメントをすることが大切と強調されていました。