精神科ブログ

実習2017年1月10日~2月2日

 今後、実習・研修先として考えている方に向けて、「あづみ病院精神科のここに注目してほしい!」というポイントを独断と偏見で書き連ねまして、4週間の実習のまとめとさせていただきます。

 

(1)疾患の幅広さ

私が4週間で経験した症例だけでも、統合失調症・双極性障害・うつ病・発達障害・アルコール使用障害・適応障害・心因反応・認知症と、非常に多岐にわたります。

精神科で扱う疾患は、教科書で読むだけよりも、実際にさまざまな患者さんに会って、よく見て、話して、そして自分が何かしらの印象を持てば理解がしやすいと思います。私のように「とにかく何でも実際に見たい・体験したい」という人間には最高の環境です。

多くの患者さんに出会い、予診や病棟でともに時間を過ごせたことは非常に有意義でした。びっくりしたり、ちょっと緊張したり、うまくいかなかったり、喜んでもらえたりといった経験を積めたことは、必ずや今後出会う患者さんのためになると思っています。

 

(2)強制入院

ある日の夜、措置入院に立ち会うことになりました。緊張感のある現場を実際に体験してみると、「教科書で読んだ小難しい制度」程度の認識でしかなかった措置入院が圧倒的な現実のものとなり、その意義や人権について、そして精神保健指定医という資格について、考えずにはいられなくなりました。

また、移送制度による医療保護入院にも立ち会いました。強制入院では保健所や警察など地域連携が行われるため、医療者以外のスタッフさんたちとも多く関わります。病院よりも広い、「地域」という単位で患者さんをみる視点が生まれました。

 

(3)医療人

 そして、ぜひ注目してほしいのが、「人」です。

 精神科では、血液検査や画像検査だけでは患者さんの状態に迫れず、相対してやりとりすることでしか情報が得られないことも多いかと思います。

その点に関して、「医者として使える武器が少なくて心許ないのでは」と私が言ったとき、ある先生は「それがいいのだ」とおっしゃいました。「自分の身ひとつで向き合って、全力を出していくのが好きだ」と。

かっこよすぎました。専門分野は何であれ、それがプロフェッショナルのスタンスなのかもしれません。

さまざまなキャラクターの先生方がおり、どの先生もご自分の魅力を活かして患者さんに向き合われているのが印象的でした。

 看護師さんたちは患者さんとの接し方が抜群にうまく、またひとりひとりの患者さんに合わせて対応を変えたり、器具などの調整に知恵を絞ったりと、気力と体力を惜しまない仕事ぶりに感動しました。

ケースワーカーさんも、デイケア・福祉施設との調整や、強制入院の際の手続き・連絡などで奔走されており、この方たちなしでは地域の精神医療は成り立たないだろうと思われる活躍ぶりでした。

 その他のスタッフさんたちも含め、あづみ病院はとにかく医療者がかっこいいです。

 

 本当に充実した4週間でした。ありがとうございました。

 

信州大学医学部医学科5年 山崎愛子