指導医・研修医ブログ

血液内科と総合内科の日々~北アルプスを望みながら~ 2

内科の外来には、様々な患者さんが来られます。
総合内科の本などでは、「70−80%の患者さんでは、問診と身体所見で診断をつけることができる」などと書かれています。
まずは、頻度の高い疾患はスムーズに診断できるように心がけたいです。

1.60歳代の女性。
疲れ切った表情で診察室に入ってこられ、「昨日から、頭も肩も背中も痛い。食欲もなく体がつらくて動くことができない」という訴えでした。
体温37.6度。
頭部から順に診察を進めていくと、明らかに右下腹部に局在する圧痛あり。
再度問診してみると「そういえばそこが痛かったように思う」との返答。
腹部CTで上行結腸の憩室炎が疑われました。
アモキシリン/クラブラン酸で、翌日には症状は速やかに改善しました。

2.80歳代の男性。
2週間前に自宅で転倒して左胸部を打撲。
痛みが持続するために1週間後に整形外科を受診。
NSAIDsを処方された後も痛みが改善しないために受診。
問診票を見た段階では、「肋骨のoccult fractureかな?」と思いつつ診察を開始。
痛みの部位を確認するためにシャツをまくったところ、左胸部から背部につながる皮疹あり。
ひとめでわかる帯状疱疹でした。
高齢のためか、痛みの性状や変化については曖昧でした。
打撲後に帯状疱疹を発症したものと考えられました。

血液内科 武岡康信

 

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