スタッフブログ

文化の違い~外国人医療コーディネーター研修に参加~

 今年は、3年ぶりに入国制限がない冬を迎え、コロナ前くらいに多くの訪日外国人の方が受診されました。
コロナ禍で外国人患者さんが減り、また気軽に人に会うこともできなかったので、今までは絶えず英語に触れている環境を作っていましたが、行動制限もあり気軽に人に会うことや集まりに行くことができず、コロナ禍の間はWEBでいろいろな交流会に参加をしていました。コロナ禍のいいところは、WEBですべてでき、移動する必要がなかったので出費をおさえられたことです。

 そしてこの冬は、一気に訪日外国人が受診したので、忘れかけていたことを思い出しながら医師や医事課の方と連携をとりながら旅行保険や飛行機に乗る際の書類(FIT to FLY)の対応などをしました。コロナ禍に準備を進めていた資料ですが、実際にはまだまだ不足な部分があり来シーズンの課題でもあります。
 さて、2月に「外国人医療コーディネーター研修」に参加をしました。
2年ほど前に参加した研修は大変勉強になることが多かった研修会です。
今回は、前回の参加をかなり上回る300医療機関が参加をしていました。この研修では、講師の先生方が過去に実際に体験した問題事例などをとりあげており、当院でも起こりうる可能性があるのではないかと、参考にさせてもらうことが多くあり、特に多いのが医療費未収金問題です。
2021年5月から、訪日外国人受信者により医療費不払い防止の取り組みが厚生労働省で行われるようになりましたので、医療費未収金問題も減っていくのではないかと願っています。

 訪日外国人の方を対応していると、文化の違いを感じることが多いです。
外国では入院して手術をしたらすぐに退院することが多いそうで、日本との違いも含め、日本の医療について説明をします。
そして、まだまだ紙文化の日本。ペーパーレスの国の方が多いので、紙文化になれてない訪日外国人の方は、すぐにどこかに書類をなくしてしまいます。外国では旅行保険申請などもメールなどでやり取りしているようなので、なくしたら困る書類については、「これ重要!保険申請に必要だから写真に撮っておく?」と伝えます。
30年日本に住んでいるから、通訳はいらないと言われた方もいましたが、念のため一緒に医師の診察に同席させてもらうと、「今の意味がわかならい」と聞かれることが多く、次の診察から同席をお願いされることもあります。また、日本人の家族の方が同席されていましたが、医療のことなのでと同席を依頼されることも最近は多いです。現在、整形外科の患者さんが多いため、他の科の事になると説明や通訳につまずくことも多いですが、ゆっくり時間をいただきながら対応ができたらと思っています。
 英語でも日本語でも医療用語は難しい言葉が多いです。日本人でもわからない言葉が飛び交うことがあります。できる限り簡単な単語を使用しながら説明をするようにしています。
当院では、英語・ポルトガル語での対応が可能ですが、来院される前に事前にご連絡いただければ幸いです。
 企画管理課 山岸

スタッフブログ

終末期ケア上級専門士

 2021年9月に終末期ケア専門士を取得しました。終末期ケア専門士とは終末期の臨床ケアにおけるスペシャリストです。患者・利用者さんの一番近くで『支える人』としてエビデンスに基づいたケアの実践を行える資格です。終末期ケアの独自のカリキュラムを学び、多職種で学びに繋げ、講師から継続的に知識やノウハウなど新しい教育が受けられます。

 心不全外来やデバイス外来、救急患者・ご家族の対応経験を通して、1年間学習し単位を取得してきました。日々学習していく中で、スキルアップや終末期医療について自分からもスタッフへ発信したいという気持ちが芽生え、終末期ケア上級専門士を受験しました。2回の選考を突破し、2022年12月に無事合格することができました。安堵と同時に『終末期ケア』の勉強会を自分で開催できることにワクワクしています。自分を含め全国で178名の一期生が誕生しました。終末期の患者さん、ご家族さまへのケアは日々の業務で思い悩むスタッフも多いと思います。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)やDNAR(蘇生措置拒否)など言葉ばかりが先行することが多いです。看護師としてできること、患者・ご家族の想いをスタッフに繋ぐことをこれからも実行していきたいです。終末期ケアについてお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

         内科外来 心不全療養指導士 終末期ケア上級専門士 和泉真実

ACP:人生会議とも言われています。将来あなた自身が病気になったり介護が必要になったりしたときに備え、これまでに大切にしてきたことや、これから誰とどのように過ごしたいか、希望する医療や介護のことなどについて、家族や大切な人、医療・介護関係者とともにあらかじめ考え、話し合うプロセスのことを言います

指導医・研修医ブログ

白馬診療所の研修を終えて

初期研修医2年目の柏瀬です。

 あづみ病院の初期研修プログラムでは、初期研修医2年目の冬に、地域医療と外来研修を兼ねて8週間以上の白馬診療所での研修を行うこととなっています。私は11月の半ばから翌年1月の前半までの期間、白馬診療所で研修を行いました。

 白馬診療所では、研修医が他の医師と並列で外来を担当します。外来ではCommon diseaseの診療と、インフルエンザ及びコロナウイルスワクチンの予防接種、発熱外来での対応を数多く行いました。また、診療時間の合間に訪問診療も行っており同行させていただくこともありました。

 12月の半ばから雪が降り始め、スキー場がオープンすると、スキー外傷でたくさんの患者さんが来院されるようになりました。旅行者は、日本からはもちろん、オーストラリア、欧米、アジア圏からなど様々で、混雑した待合所で日本語以外の言語が飛び交う光景は新鮮でした。言語の問題で診断や治療が十分に伝わらなかったり、移動や帰国の予定があるために、移動先の病院に診療をお願いするしかないといった苦しい場面が多くありましたが、目の前の患者さんに集中し、丁寧親切な対応を心掛けました。

 白馬での研修期間は、寝ているときにも、外来の夢を見ることがよくありましたので、それなりにストレスもあったと思いますが、一度も憂鬱になることはありませんでした。むしろ、日々、自分の成長を実感でき、充実感に満ちていました。医師として求められることが嬉しく、それに応えたいという気持ちがモチベーションでした。

 ご指導いただいた先生方、看護師の方々、OT・PTの方々、事務の方々には、とてもよくしていただき、大変感謝しております。この場をお借りしてお礼申し上げます。


白馬診療所の近くのコンビニにて。自動車通勤は大変かと思いきや、除雪が行き届いていて苦になりませんでした。絶景を毎日眺めながらの通勤は私にとって素晴らしい時間でした。