指導医・研修医ブログ

研修医としての生活が始まりました

 入職から二ヶ月が過ぎ、国試受験生として過去問をひたすらやっていた日々も遠くなりつつあります(そしてもちろん入れたはずの記憶もだんだん抜けて……)。

 二週間のオリエンテーションの後に右も左も分からず配属された血液内科では、病棟にいる患者さんごとに状態を日々評価し、それについてのフィードバックをもらう形で研修しておりました。「ここも見た?」と気にも留めていなかった所からの指摘もたくさん頂きました。そしてもちろん、カルテの書き方、薬のオーダーの出し方や上級医へのコンサルといったような、病棟管理や内科といった枠に収まらない、「立ち回り」の面からの指導もありました。今後もこの経験を活かしていけるよう精進して参りたいと思います。
 そのような業務にあたるうちに慣れない電子カルテも少しだけ扱えるようになり、五月からは日当直も始まりました。いまだに一人で問診を取らせて貰う時には右往左往していますが……。こちらは今後の課題です。上級医の先生の診察を目の前で見て学んでいく所存であります。

 一方私生活の面ですが、コロナ禍の下で外食があまり出来ないこともあり自炊を始めました。初めての一人暮らしでこちらも慣れないことばかりではありますが、休日の前の日に少し手の込んだ料理を作ることも今の楽しみの一つです。

▶初めて自作したアヒージョもどき。こんなんでも今の僕にはレベルが高かった……。

毎日見える北アルプスも雪景色から緑が見えるようになり、入職前から楽しみにしていた登山のシーズンが近づいてきているのを目と肌で感じています。
▶4月末の病院の屋上より。真ん中の方に鹿島槍ヶ岳が見えています。個人的には麓の緑との対照で一番山が見ごろな時期だと思います。

一年目研修医 高野 烈

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研修1年目~春~

 1年目研修医の有阪です。
信大の学生実習でお世話になったあづみ病院にて初期研修をさせていただくこととなり、身が引き締まる思いです。何卒よろしくお願いいたします。

 当院の初期研修医は、院内外の施設や外来を4月初めの2週間で見学させていただき、その後内科での半年間(4診療科を6週間ずつ)の研修、という流れで毎年研修をスタートしています。
電子カルテの使い方を覚えることが、この時期に最も大事なことだとも言われています。医師になると、薬の処方、どの検査を指示するかなど学生より出来ることが増えますが、使い方を教わらないとわかりづらい所も多くあります。2年目の研修医の先生方や医療情報部の方などが、詳しく実用的なところまで教えてくださったおかげで、今ではスムーズに使えるようになりました。

 内科研修では、今月まで呼吸器内科をまわらせていただいておりました。入院中の患者さんの呼吸器の症状だけでなく、おなかの調子がおかしい、むくみなど全身の様々な症状について診察させていただきました。症状の変化を指導医の先生にお伝えし、相談しながら治療方針を決めています。車で訪問診療をされる先生の同行もさせていただきました。病院の外では検査機器もなく、身体診察や問診でできる範囲で健康状態を判断するので、診察の重要性をあらためて痛感しました。
 こちらの写真は4月の院内外の施設見学の際に、信州が初めての先生への案内にと訪れた松本城、白馬スキージャンプ台の写真です。

 
信大在学中に松本城でサークルの花見を行ったことが早くも昔のようです。ジャンプ台は雪がなくても滑ってみたくなるような壮大さに魅了され、冬の様子もその目に収めたいと思っています。

初期研修医1年 有阪

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たすきがけ研修について

 私はいわゆるたすきがけプログラムを利用して、1年目に大学病院、2年目にあづみ病院での研修を選択しました。精神科志望者として参考になればと思い、以下にその感想を記します。
 大学病院では、commonな疾患よりはrareかつcriticalな疾患をもつ患者さんたちが集まり、それに対応するための医療体制が整えられています。研修医の学ぶべき知識、積むべき研鑽もそれに応じたものになります。そのなかで科によっては学会発表や論文作成の機会も与えていただき、アカデミックな世界を垣間見ることができました。診療の基礎を学べる科としては、放射線科と麻酔科の研修が何科の志望者にもオススメできます。特に放射線科で1日中画像とにらめっこする経験は、他では得難いものでした。
また、私は公衆衛生に関心があり、空き時間に教室の門を叩いてみたところ、貴重なデータを提供していただいたり、学会にお誘いいただいたりと歓迎していただけました。市中病院で公衆衛生にコミットできるのは、かなり限られた環境になると思いますので、大学の地の利を享受できたことに対し感謝しています。
大学での研修で他に挙げられるメリットとしては、各科に恩師が増えるのも良い点でしょう。大学院進学を考えていて大学勤務が続くとすれば大いに助けられることもあろうかと思います。
あづみ病院に来させていただいて2ヶ月経ちますが、大学との一番の違いは救急外来での当直です。自分で検査と診断を考えるプロセスに、昨年とは違った種類の責任感が芽生え、目を通す参考書のメニューも変わりました。当院では立地柄、深夜の救急車受け入れ台数は比較的少ないため、自分のメンタルヘルスを保持しながら、救急対応の基本を身に付けることができます。週1回の日当直を通して、それを身に付けるのが私の当面の目標の一つになりました。
 これについて補足としては、信大では初期研修医は基本的には救急ローテ期間しか当直に入りません。そのため研修から離脱してしまうリスクを低く抑えられることがあります。慣れない当直で睡眠を中断される経験は、個人差や施設差はあるにせよ、初期研修で最も大きな負荷であることは間違いないでしょう。一般的に夜勤が睡眠障害や不安障害を発症するリスクとなることには睡眠医学上の多くのエビデンスが存在します。1年毎に自分に合った施設に異動でき、そういったリスクを分散・最小化できるのは、長期的にみて利点だと思います(一方でスタートダッシュこそ大事という意見もあるでしょうが)。
 このように私は、今のところたすきがけ研修に大きな不満なく過ごせており、あづみ病院を研修先に選んで良かったと思っています。また志望科の精神科については、症例検討会が毎週開催され、精神科に興味があれば研修期間外でも参加可能となっており、年間を通して勉強を続けることができます。肩肘張らず質問等しやすい雰囲気で行われるので、実習・研修中に参加されてみてはいかがでしょうか?


ネット通販での注文を院内のファミマ受け取りにすると毎日不便しません

産業医主体の学会で参加者も多く非常に活気がありました

初期研修医 1年目 山田