精神科ブログ

日本ダルク 田代まさしさんが講演

日本精神科看護協会主催の「こころの日」(精神保健法制定の7月1日を記念して)のイベントを、日本DARCスタッフの田代まさしさん(通称マーシー)をお招きして、当北アルプス医療センターあずみ病院やまなみホールで開催いたしました。一般の方・医療関係者合わせて150人余の参加者で会場は満席となり盛況に終わりました。
 田代まさしさんは、元ラッツアンドスターの一員でその後テレビタレントとしても活躍しておられましたが、三度にわたる覚せい剤使用で逮捕と2度収監されたことで芸能界から追放処分を受けました。
2度目の出所後に日本ダルク(ドラッグ・アディックション・リハビリセンター)の近藤恒夫代表に誘われダルクにつながり、ここまで回復の道を進んでこられました。

依存症には、様々な形で生活上の困難さが表れます。アルコール・薬物・ギャンブル・暴力(DV)など実は身近な疾患でもあります。しかしながら違法薬物を使用することで、芸能人や有名人は社会的制裁を受けて社会から排除されてしまいます。司法罰と矯正で違法薬物の再使用に歯止めをかけることはできません。しかし適切な治療と支援を受けていく中で回復につながることが可能となってきます。ダルクは日本全国に66か所・80か所を超える施設を有しており、薬物依存症からの回復者が数多く生まれております。

 現在まで薬物使用に伴い実刑を受けてきた人たちの中で、依存症から唯一回復したタレントとして今回講演会を開催しました。時同じくして7月4日NHK・Eテレの情報バラエティー番組「バリバラ」に出演され、自己の回復の道のりを語られました。このことは、薬物依存症者を厳罰にして社会から排除するのではなく、社会が病気からの回復を「支援」をする必要性の認識を新たに持つことができてきた感があります。
薬物依存症は「孤独の病気」とも言われるように依存症者の周囲から人が去っていき、その結果自殺率も非常に高い疾患であります。回復施設の「仲間」の中で気づき、救われてきた過程を、持ち前のギャクを入れながら講演していただきました。終了後は一般参加者から多くの質問が飛びました。その中で、欧米のようなドラッグコート制度(刑の執行か治療を受けることが自ら選択できる制度)を日本はなぜできないか?等参加者も「薬物依存」が一定の回復が可能な疾患であるという認識をされたようです。依存症という病気を知ることができたこと、回復という希望のメッセージを感じながら会場を後にした参加者の皆さんにとって意味ある講演会であったと思われます。

 

看護部長 南方

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