精神科ブログ

研修 2018年1月4日~2月28日

精神科実習

市立大町総合病院

研修医2年目 新津文和

 

市立大町総合病院から精神科の研修医として2か月間お世話になりました。精神科研修では病棟での早朝カンファレンスの参加、抄読会、初診外来の予診、ECT見学、病棟患者様の対応、精神科救急対応等を主にさせて頂きました。特に初診外来の予診では、普段自分が行っている問診とは勝手が違い、驚きました。患者様の背景、性格、悩み、身体症状などをいかに丁寧かつ迅速に引き出すかという点です。自分ではしっかり問診をとれていると思っていても、本診で上級医の方々に付かせて頂くと、次から次へと聞き逃していることに気づき、正直自信を失うこともありました。また、患者さんの話に共感するあまり、1時間近く予診を行っていたこともあり、患者さんを疲弊させることもありました。予診を重ねるうちに、いくらかは患者さんの情報をうまく引き出せるようになったかと思います。また人の心、反応、悩みなどは千差万別であり、この病気だ!と断定することが非常に難しい精神科疾患は、ある意味非常に興味深く、魅力的であると感じました。壮大な領域の勉強を要す精神科専門医の方々の凄さに改めて感銘を受けました。私は整形外科を志す予定でおりますが、この経験を活かし、入院中のせん妄対策や術後の精神科疾患をしっかりと見極め、的確にコンサルテーションできるようにしていきたいと思います。

 

最後になりましたが、2か月と短い期間ではありましたが、精神科の先生方はじめ病棟・外来スタッフの方々、大変お世話になりました。あまり目立てず、活躍できなくて申し訳ございませんでした。来季からは整形外科専門医を目指し、ここあずみ病院へ入局させて頂くこととなりました。精神科外来や病棟でもコンサルテーション等で接する機会があると思います。これからも宜しくお願い申し上げます。

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講演会 平成30年2月18日

第51回小諸北佐久医学会でアルコール依存症をテーマに発表させて頂きました

精神科 雨宮光太郎

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実習 2018年1月9日~2月1日

精神科実習

信州大学5年 江口 万城

 

この1ヶ月間の実習で精神科の様々な疾患を診ることができ、医療専門職や地域の包括的なサポート体制についても学べ、充実した楽しい日々を過ごせました。

 

私が一番印象に残っているのは、毎日外来で予診を取らせていただいたことです。精神科特有の項目として、日々の生活の様子、生活史、病前性格、趣味なども患者さんにお話ししていただきます。また、同時に患者さんの歩行の様子、整容、話し方、表情の変化なども観察します。ご家族と来院されている時には、別々に話を聞き、話が一致しているかの確認や、それぞれの考え、望むことの把握をします。そして、鑑別疾患を挙げ絞っていき、さらに必要な項目の聞き取りやMMSEなどの検査をしていきます。30分の予診の中でこれらのことを適切にスムーズにやっていくということの難しさを感じました。

予診の後、本診に同席させていただきました。症状から自分なりに考えた鑑別疾患が足りなかったため、鑑別するにあたり重要で聴取できなかった項目があることに即座に気づくことができ、次の予診に生かせました。また、本診での先生方の患者さんへの説明の方法はおのおの個性が出ていて、分かりやすい言葉での説明の工夫や安心感のもてる口調など、多くのことが参考になりました。例えば認知症の薬が処方され約10年が経過し、抗認知症の効果があまり保たれていない可能性のある患者さんの診察で、認知症の徘徊などの症状への対処に関して、ご家族の負担を聞きデイサービス・ショートステイなどのサポートの調整を提案し、鎮静薬の副作用などを説明し、最終的に家族の望むところは何かを聞いていくという場面がありました。信頼関係を構築しながら傾聴して今後のことを一緒に考えていく過程を見ることができました。

本診の後、鑑別疾患を挙げて診断を確定する過程や、疾患に特徴的な症状などを先生方が教えてくださりました。症状が似ていて合併もありうる高齢者のうつと認知症の鑑別や、疾患概念が確立されていない所があるため、うつ病、適応障害、パーソナリティ障害、躁うつ病の鑑別など、非常に困難な場合が多いということを何度も痛感したように思えます。

 

病棟での実習では、患者さんやそのご家族の退院後の不安を傾聴し、行き詰った時に気軽に相談できる場所として病院を利用していただくことや支援サービス等の利用を提案する場面に、度々遭遇しました。精神科では退院だけが目標でなく、患者さんが退院後安心して生活ができるかが重要であると感じました。デイサービスの見学では、より豊かな地域生活を目指している実際の様子が分かり、様々な専門職によるサポート体制についても学べました。

 

最後になりますが、精神科の先生方を始めとしてこの1ヶ月間お世話になりました皆様に厚く御礼申し上げます。今回の経験を活かしながら、温かい医療が提供できるように日々励んでいきたいと思います。

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日頃の想いって。。。

先月末に排尿ケアについての学習会を行いました。
学習会の冒頭で「昨年も1月に学習会を開催したけれど、介入している病棟が少なく、
チーム活動が軌道に乗るまでにはどれ位かかるか分からないと思っていた。
現在定着しているのは、病棟Nsが頑張ってくれいているからだと思っている。」と
伝えました。
1年ぶりの学習会で、スタッフの顔を見たとたん、予定していなかった言葉が、自然に出て来ました。
日頃想っていることって、つい、出てくるものですね。

昨年の学習会のタイトルは「変えていこうよ!排尿ケア~看護師だからできること~」
今年は、「あなたがきっと知らない下部尿路の世界~そのカテーテルは絶対的適応ですか~」
本当はサブタイトルがタイトルでしたが、ちょっと嫌味っぽいかなぁと
事務担当者に相談したところ、このタイトルに変わっていました。

案内文や電子カルテのトップページに載るため、多くの人が目にするためそれも狙いです。

絶対的適応とは、厳密な尿量測定が必要な患者さんや、尿による汚染を防ぐ必要がある患者さん等で、治療上必要な尿道留置カテーテル管理をしている場合に限られます。
これ以外で、カテーテル以外の管理が可能な場合を相対的適応として、チームで介入します。
絶対的適応でないにもかかわらず、カテーテル留置がされていないようにすることが目標ですが、疾患によってはカテーテル管理をしなければいけない場合もあるため、
その見極めが大切です。
排尿自立は下部尿路だけでなく、自立度もポイントなので、現在看護師が行っている看護を
評価し、フィードバックすることで看護の面白さを実感して欲しいと考えています。

排泄ケアはこころとからだを守るケアだから。

いつもありがとうございます。   WOCN ふりはた

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コラム裏話

皮膚科月刊誌のコラム欄に執筆させていただきました。
医局からお借りして読んだこともある、オールカラーのその月刊誌に執筆するなんて。。。
看護雑誌への執筆とは違うので、けっこうなプレッシャーです。
まずは、コラムについて調べてみたら、体験談や説明文では無い方が良いとのこと。
調べなければ良かった。。。と後悔しました。

テーマは、皮膚科学の面白さについて。
「日々実感していることなので書けるはず」なのですが、完成した文章はあまりにも普通で、
ぜんぜんダメ!何より私らしくない!

締め切りまでは時間があったので、何とかなるとのんびりしていましたが、
書けない時は本当に書けない。
だんだんと締め切りが近づき、「そもそも、タイトルが浮かばないのが良くないよね。」と思った瞬間、突然ひらめきました。
「そうだ、あのタイトルにしよう!」
安部先生に考えていただいた、ブログタイトル候補のひとつ、「皮膚の言葉をきいて欲しい。」
私が伝えたいことは、これに集約されていると思ったらすぐに完成しました。

抽象的な文章という感じもしましたが、校正担当の方のアドバイスもあり、
説明を加えたことで最初よりも分かりやすくなったと思います。
さすがはプロですね。勉強になりました。
我がままですが、タイトルだけは「皮膚の言葉を聴いて欲しい」にしていただきました。
「皮膚の発する言葉を聴いて欲しい」の方が良いとのアドバイスでしたが、
発するが入るとちょっとイメージが違う(文字にした時も言葉にした時も)ので。

大ヒット曲「瞳を閉じて」も正確にいえば瞼を閉じてのはず。
名曲「なごり雪」も当初は「名残の雪」だったとか。

賛否両論だとは思いますが、タイトルの場合は「言葉の正確さ」よりも、
全体のイメージとか、受ける印象が大切なのだと、私は考えています。

月刊誌の内容はタイムリーで、素晴らしいです。
診療報酬改定で、入院時に行う褥瘡対策に関する危険因子の評価に、「スキン-テア」が入り、褥瘡ハイリスク患者ケア加算の対象患者に、「皮膚を密着させる医療機器の長期的持続的な使用が必要であるもの」が追加されたので。

テアや医療関連機器圧迫創傷、失禁関連皮膚障害、ストーマ皮膚障害、創傷・スキンケアの新常識など盛りだくさん。
皮膚科医だけでなく看護師にも読んでもらいたい内容です。

いつもありがとうございます。   WOCN  ふりはた

指導医・研修医ブログ

インターバル速歩のすすめ

1月31日、あづみ病院7階のやまなみホールで、信州大学医学部医学研究科スポーツ医科学教授の能勢先生をお招きして「インターバル速歩のリハビリテーションへの応用」と題してご講演いただきました。インターバル速歩は多くのテレビに取り上げられており、ご存じの方も多いと思いますが、全身への効果が科学的に証明されております。メタボリックシンドローム改善、うつ病や認知機能低下の改善、膝関節症など整形外科疾患の症状軽減など、これからの高齢社会では社会全体で導入すべきではないかと思われます。しかも、この効果は、ただの一定速度の散歩では認められないようです。今後、当院で能勢先生と共同で健康寿命延伸の活動をしていく構想もあり楽しみです。