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実習 2017年10月30日~11月22日

この一か月の実習期間中、患者さんとのコミュニケーションのあり方、対人スキルについて常に試されているような気持ちがしました。

毎日外来にて一人の方の予診をさせていただくという貴重な経験をしました。例えば主訴が同じ「意欲が出ない」でも、患者さんによってその表現方法や精神状態は異なります。

我々医療者は患者さんの表現をそのまま鵜呑みにするのではなく、殊精神科においては患者さんがそのような発言に至った精神状態へ深く思考を巡らせていく必要があると感じました。検体検査や画像検査から病変部位を特定できるわけではないということからも会話の重要性を感じ、意識して予診をするようにしました。今まで苦手意識を持っていた精神状態の表現方法(心気妄想、観念奔逸、妄想気分)を持つ患者さんに出会うことで、これらの違いについて学ぶこともできました。また、精神科以外の外来であまり気にすることがなかった患者さんの服装や話し方、アイコンタクトがとれるか、表情の変化など、予診の間に患者さんから得られうる情報量の多さに苦労したのも印象に残っています。その後の診察にも同席させていただき、先生方が患者さんと話す様子から問診の重要なポイント、鑑別に挙げるべき疾患やルールアウトの根拠、今後の方針などについても勉強させていただきました。どの先生も疑問を挙げた際に丁寧に答えていただき、得られるものが多かったです。

 また、当科では患者さんの生活の包括的なサポートのために様々な職業の医療スタッフが連携する場面に立ち会うことができました。外来での臨床心理士、ソーシャルワーカーを始め、病院近傍に位置する精神科デイケア・ショートケア施設に従事する方々は患者さんの社会福祉的な充実を目的として活動しているということがわかりました。チーム医療という言葉は医学部に入学してから幾度となく聞いた言葉であり自身でも理解しているつもりでしたが、この実習で更に理解が深まったと感じています。

 最後になりますが、精神科の先生方を始めとしてこの一か月お世話になりました皆様に厚く御礼申し上げます。今回の経験を活かしながら、学生生活を頑張っていこうと思います。

信州大学 前田梨穂子

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実習 2017年10月2日~10月26日

精神科実習感想 (2017/10/2~10/26

 「今までの実習とは、きっと全然違う景色がみえてくるよ?」

私にこの病院での実習を進めてくださった先輩方が口をそろえておっしゃっていた言葉でした。今回が私にとって大学病院以外の病院での初めての長期実習だったこともあるかもしれませんが、今までの実習で気付きもしなかったことにたくさん気付かせてもらえた実習でした。この感想文ではその学びや気づきについて書いていければと思います。

実習では初診の患者さんの予診や、入院している担当患者さんの話を聞くことが主となり、メンタルケアセンターや支援会議を見学させていただいたり、症例検討会やカンファレンスに参加させていただきました。

実習で初診の患者さんの予診を取らせてもらう機会は他の病院ではなかなかないためいい経験になると噂にはきいていましたが、評判通りとてもよい勉強の機会を与えていただけたように思います。今までは診断が予めついた患者さんを受け持たせていただくことが多かったのですが、事前情報をカルテで確認し外来の看護師さんの印象や先生がたのアドバイスを参考に鑑別に必要な質問や取るべき所見を考えるのは、普段とは違った頭の使い方が必要で新鮮で難しくも今後につながるよい経験となりました。加えて予診の後に様々な先生方の診療の様子を見せていただいたことも、精神科では特に患者さんとの関わりが治療に直結することもあり貴重な体験でした。自分が予診で実際にお話しした患者さんと先生方がどんな風にお話ししていてどんな風に関係性を気付いていくのか、私がうまく聞き出せなかった情報を先生方がどんな文脈で・どんな言い回しで聞き出しているのかをみて次の予診や今後の自分の問診にどう活かしていくかを絶えず考えることができ少し成長できたように思います。見学しているうちに気づいたのは―巧みな話術で患者さんを鼓舞したり、あえて友人のような距離感で語りかけてみたり、逆に距離を置いて淡々とした態度をとったり、丁寧に患者さんの話を傾聴したり等と―様々なスタイルの先生が様々な関わり方をしていることに気づきました。自分の得意や苦手をみつめ、今後どのような診療スタイルが自分にあっているかについても今後考えていきたいです。

また、今まで実習で関わる機会がなかった介護・福祉関係の人たちの関わることができたのも良かったと思います。MSWさんに協力していただきつつ認知症疑いの患者さんの予診をとったり、介護認定の審査を見学させていただいたりを通して、通院が継続できる状態を維持したり、退院後の環境を整備したりと患者さんの普段の生活をよりよいものにするためには書類の整備や調査など複雑な手続き必要であることや私が思っているよりずっと多くの人たちが尽力していることが解りました。そして普段の実習では診察室でのお話しや入院時の患者さんの様子などといった病院で垣間見る患者さんの一面にばかり気をとられて、その人の仕事や生活、生きがいなど患者さん自身を見ていなかったことを痛感しました。今後は患者の症状や診断、急性期の治療に固執せず、緩解後や退院後の患者さんが穏やかに過ごすためにはどうすればよいかに目を向けていきたいです。

思い返せば実習中どうしようと困ったとき、やってみたいけど自信がもてないときなどにはいつもその場にいた病院スタッフの誰かが手を差し伸べ、相談にのってくださいました。至らない点ばかりの私が無事実習を終えることができ、たくさんのことを学ぶことができたのは一重に実習中お世話になった病院職員の皆様があってのことだと思います。この場を借りて簡単ではなりますが深謝申し上げます。

 この病院で過ごしたこと、そして得たものを忘れずによりよい医療者を目指し日々努力をつづけていきたいと思います。

                         信州大学5年生 山村 結衣

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救急外来カンファレンス

本日の救急外来カンファレンスは病棟での急変をテーマに行いました。
症例は急性期脳梗塞で演者は研修医増田先生 

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研修 2017年10月2日~7日

精神科実習 感想文

信州大学医学部付属病院

研修医1年目 宮坂英樹

 

本来は内科の実習の予定で3か月間こちらにお世話になっていたのですが、精神科が有名な病院と聞いていたので、せっかくなので最後に1週間だけお邪魔させて頂きました。1週間という短い期間だったため入院患者の経過をゆっくりと観察することはできなかったのですが、今回は主に新患患者の予診を取らせていただきました。最初のうちは網羅的にいろんなことを聞こうとしていたため、尋問のような面接になってしまいました。また患者の話が脱線したり長くなった時なども途中で会話を遮るのは悪いと思い傾聴していたら、1時間以上かかった割に大事なことを聞けなかった、なんて時もありました。個人的には患者に好きなだけ話をさせてあげたいと思うのですが、一定の患者を捌かなければいけないという時間的な制約もあり、予診の難しさを感じました。

 

予診以外には毎日の朝会、ケース検討会、クルズス、ECTの見学、ケア会議や抄読会など様々な活動に参加させていただきました。特にケア会議では患者の退院後の支援など、チーム医療の大切さを学びました。

 

一週間と短い期間ではありましたが、精神科の先生方はじめ病棟・外来スタッフの方々、大変お世話になりました。今回の経験を他科での研修や今後の専門研修に生かしていきたいと思います。

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実習 2017年9月4日~9月28日

20179

信州大学5年 三村眞鈴

今回の実習で、精神医療は入院中心医療から地域生活中心医療に移行したというが、他の診療科と違う難しさがあるように思った。精神科の患者の退院支援においては、医学的側面だけでなく対人関係や認知など生活面での障害、さらには偏見などの生活社会上の困難があるため疾患の治療のみならず生活機能や社会機能を含む全人的な取り組みが必要となる。ただ入院加療して、病状が軽快すれば退院、と簡単に話が進むのではなく、患者に治療への理解をつけてもらうところから始まり、治療方針も患者と患者の家族、医療者の折り合いをつけて二転三転する。その後も患者自身が退院後自立した生活を送れるか吟味し、そのための筋道をチームで何度も話し合う場面を見てきた。実習初日、看護師長より、地域に根差した精神医療についてのお話を伺い、精神科は患者の疾患のみでなく患者自身に寄り添い長期にわたって自立支援をしていく要素の強い科だと知り、この3週間は患者へどのようなサポート体制を医療者側が組み込んでいるのか意識しながら実習させて頂いた。実際に私が実習中ついてまわるのは医師ではあったが、入院されている患者の中でもデイケアへの通所やOT室でのリハビリが習慣化し楽しまれている方を見たり、外来患者でも就労についての助言を多職種で介入し支援したり、訪問看護や介護保険の申請をすすめケースワーカーを医師が紹介したり等、チーム医療を実感する機会は多くあった。多職種チーム(精神科医、精神科看護師、作業療法士、心理士、精神保健福祉士、薬剤師等)による連携あってこその精神医療なのだと実感した。             

 また、外来にいらっしゃる患者さんの予診を毎日取らせていただいたが、最初はずっと「聞き逃しがないか」「何を鑑別診断にあげて質問を重ね除外していくか」ということに気を張っていた。もちろんそれも大事だとは思うが、それのみに終始していると話があちこちにとびやすく、患者に一方通行の問診をとっていたのではないかと途中から思い直した。患者さんが何を主訴にいらして、何を一番に解決してほしいと思っているのかを意識しながら順序良く話をまとめ上げることが、患者の意向を尊重し今後のよりよい関係を築く上で大切だと思った。卒業までにまた精神科以外にも患者の問診をとる機会があれば、聞く内容は大幅に変わるが、ここで感じた患者への共感と傾聴の志向の重要さを常に念頭に置きながら取り組みたい。

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救急外来カンファレンス

本日の救急外来カンファレンスは信州大学医学部の精神科実習の三村先生、も交えて
せん妄に隠された疾患をテーマに行いました。

症例は大動脈解離、硬膜下血腫で演者は研修医春原先生 

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救急外来カンファレンス

本日の救急外来カンファレンスは
症例急性虫垂炎で演者は信州大閣からの研修医宮坂先生

(画像はありません 精神科雨宮)

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救急外来カンファレンス

本日の救急外来カンファレンスは 
症例は潰瘍性大腸炎と関節痛で演者は研修医小林先生
スーパーバイザーとして消化器木全先生 整形外科磯部先生にご協力いただきました。

 

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救急外来カンファレンス

本日の救急外来カンファレンスは
小児救急をテーマに行いました。

症例はCPA(小児)で演者は外来看護師矢花さん

 

 

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救急外来カンファレンス

本日の救急外来カンファレンスは見逃せない疾患をテーマに 
症例は大動脈解離で演者は研修医増田先生

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2017年6月実習

実習感想文             2017/6/5~2017/6/17

                                      朝香隆明

北アルプス医療センターあづみ病院にて2週間、精神科/地域医療について実習させて頂きました。普段実習を行っている大学病院には病棟は存在しないため、今回のように病棟への鍵を自分で管理し実習を行うことがとても新鮮に感じました。また、予診という形で患者へのファーストタッチをやらせて頂いたことが最大の良い経験となりました。

予診を任せられた当初は、一般的に行う問診と変わりはないだろうと勝手に信じ込んでいましたが、実際に行ってみると質問する際の言葉の選び方、表情変化の観察、話し方、呼吸の仕方すら留意する点があるのだと気付かされました。では、なぜそのような点が一般的な問診と異なっているのかを考えてみたところ、やはり予診からすでに治療を始めているという考えが精神科ではとても重視されていたからでした。CTMRIなどの具体的な疾患部位を指し示す手段が少ない精神科にとって、会話という手段がどれだけ重要なのかいつも意識しながら予診を取るようにしていました。この姿勢は、精神科に関わらずどの科においても重要なことであるが、忘れがちであった自分にとって重要性を再認識できるいい機会となりました。また、教科書に載っている「連合弛緩」「妄想知覚」「妄想着想」などについての違いや意味を、身を以て経験することが出来ました。

白馬診療所では、診療所と地元の方々との信頼関係、地域医療としての役割、他の医療機関との連携について学ぶことができました。その地域で医師は自分だけという状況で、多くの患者の診察を行う姿には憧れを感じました。

最後になりましたが、手厚くご指導してくださった精神科の先生方、北アルプス医療センターあづみ病院のスタッフの皆様、白馬診療所の下里先生、快く予診を取らせて下さった方々に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

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2017年5月実習

実習2日目。涙を流しながら話す患者さんに対して自分はティッシュを渡して「大丈夫ですよ。」と言う他なかった。ここは精神科の外来だ。そう思うとより一層言葉でのアプローチが難しかった。目の前には体は健康なのに苦しんでいる人がいる。自分の仕事は予診を取ることだが、それさえロクにできなかった。予診は悩み相談室とは違う。心を診る精神科に憧れながらも、どこかで精神科を軽く見ていたのかもしれない。

 

初診の患者さんを診る際には、主訴からどういう疾患が妥当か考え、その診断基準を満たすかどうか判断できるような質問を限られた時間に行わなければならない。患者の生活史も注意深く聞く必要がある。それと同時に器質的原因を否定するために血液検査やMRIの依頼もする。しかし何より重要なことは、患者さんを疲れさせないようにスムーズに行うことである。

他科のように検査値や画像を見て診断が付くほど精神科は機械的ではない。精神科領域の専門用語が難しいのは、各患者さんの僅かな症状の違いを区別するためにあるということを実感した。認知症、うつ病、うつ症状、気分変調症、適応障害、境界性パーソナリティ障害、似ているようで全然違う。これらの鑑別点は患者さんとの対話の中でしか見つけることができない。そして患者さんの話だけでなく表情、整容、仕草も観察する必要がある。

毎日予診を取らせて頂く中で気付いたことがある。予診の後は先生に引き継ぎ、先生が問診を始める。予診で十分聞いたはずなのに、先生が問診すると新しい話が次々と出てくる。注意深く問診を観察し続けたが結局その秘訣は分からないままだった。先生の質問の仕方に工夫があるというより、患者さんが自発的に話し始めているような印象を受けた。患者さんが話しやすいような雰囲気、声のトーン、表情、沈黙さえも、その全てが精神科医の技なのかもしれない。

 

感想は山ほどあるのですが、キリがないのでこの辺にしておきます。

本当に実になる実習でした。2週間、ありがとうございました。

                            東海大学6年 和田 悠佑

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2017年4月実習 

私はあづみ病院で2週間実習をさせて頂きました。2週間の実習では、主に精神科を見学させて頂き、そのうち1日は白馬診療所で地域医療の見学をさせて頂きました。

 

精神科の実習で私が特に印象に残っていることは、予診をとらせていただいたことです。普段の実習では、既に診断されている患者さんの元へ行きお話を伺うことはあっても、まだ何の診断のついていない方のお話を聞く機会はあまりありません。最初は難しかったですが、新鮮でとても良い経験になりました。また、予診をとった後すぐに指導医の先生による診察の見学もさせて頂けました。自分で聞き逃してしまったことなどを把握することができるのも大変勉強になりました。

 

白馬診療所での実習では、地域医療のむずかしさや魅力を実感できました。患者さんの訴えは様々で、それをすべて一人で診なければいけないのは、大変であると同時にとてもやりがいがあると感じました。患者さんとの距離が近く、一人ひとりと長く付き合っていくことも魅力的だと思います。

 

2週間という短い期間の実習でしたが、とても充実した実習となりました。先生方も優しく、丁寧に指導して頂きました。2週間の実習を通して一番感じたことは、精神科を志望しているなら、あづみ病院で実習することはとても勉強になるということです。

 

最後になりましたが、2週間ありがとうございました。大学病院の実習だけではできないような経験をたくさんさせて頂きました。今回の実習で学んだことを活かして、励んでいきたいと思います。

東海大学医学部6年 花輪球太

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あづみ病院精神科での実習を終えて(平成29年2月6日~3月2日)

「これが精神科病棟の鍵です。失くしたら全部取り換えになるので、えらいことになります。」事務のお姉さんが淡々と説明する。実習初日から衝撃を受けた。病棟の鍵を管理することなどもちろん初めての体験であったし、もし失くしたら・・・と考えるととても恐ろしかった。
あづみ病院精神科の実習の特徴といえば、なんといっても外来で予診をとることだ。毎日新患の予診をとり、その後医師の診察に陪席する。なんだか落ち着かない、うつっぽい、酒がやめられないなど患者さんの訴えは様々であった。自分一人で予診をとることは初めての経験でとても不安だったが、先生方に「予診で一番大切なことは、漏れなく聞くことよりも患者さんを疲れさせないことだ」とアドバイスを頂き、気が楽になった。最初の週はアナムネをとることで精一杯だったが、慣れてくると鑑別疾患も考えながら問診できるようになってきた。当科には個性豊かな8人の医師がおり、一人ひとり違ったスタイルがあり、患者さんとの接し方について多くのことを学んだ。
他にも、措置入院の瞬間を間近で見学したり、近隣の老人ホームに往診に行ったり、外科志望の私に、術後せん妄の患者さんや入院中に急性虫垂炎になった患者さんを診察させていただいたりと、とても充実した1ヶ月であった。
精神科医は「理屈っぽいわりには治療力が低く、単なる観察をして哲学を論じるものというイメージ」(標準精神医学 第6版.1章 精神医学とは より引用)が一般的にあるかもしれない(私は思っていない)が、それは間違っているということを主張したい。精神科医は患者さんの身なり、言動、行動を細かく観察し、精神状態を深いところまで考え、それを医学用語として言語化する能力に長けている。治療方法は薬物に限らず、傾聴や対話など他科の医師には無いものを持っている。また、精神科は医師だけでなく、看護師、作業療法士、ケースワーカーなど、多くの職種が活躍していることを実感した。1ヶ月の実習で病棟の鍵を開けることにも慣れ、精神科のリアルガチな現場にどっぷり浸ることができた。
精神科の先生方をはじめ、外来、病棟のスタッフの皆様、困っているときに声をかけてくださったり、熱心に指導してくださったり、1ヶ月お世話になりました。ここで得た経験は将来自分がどの科に進んでも役立つと思っています。本当にありがとうございました。
信州大学医学部5年 吉池奏人

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実習2017年1月10日~2月2日

 今後、実習・研修先として考えている方に向けて、「あづみ病院精神科のここに注目してほしい!」というポイントを独断と偏見で書き連ねまして、4週間の実習のまとめとさせていただきます。

 

(1)疾患の幅広さ

私が4週間で経験した症例だけでも、統合失調症・双極性障害・うつ病・発達障害・アルコール使用障害・適応障害・心因反応・認知症と、非常に多岐にわたります。

精神科で扱う疾患は、教科書で読むだけよりも、実際にさまざまな患者さんに会って、よく見て、話して、そして自分が何かしらの印象を持てば理解がしやすいと思います。私のように「とにかく何でも実際に見たい・体験したい」という人間には最高の環境です。

多くの患者さんに出会い、予診や病棟でともに時間を過ごせたことは非常に有意義でした。びっくりしたり、ちょっと緊張したり、うまくいかなかったり、喜んでもらえたりといった経験を積めたことは、必ずや今後出会う患者さんのためになると思っています。

 

(2)強制入院

ある日の夜、措置入院に立ち会うことになりました。緊張感のある現場を実際に体験してみると、「教科書で読んだ小難しい制度」程度の認識でしかなかった措置入院が圧倒的な現実のものとなり、その意義や人権について、そして精神保健指定医という資格について、考えずにはいられなくなりました。

また、移送制度による医療保護入院にも立ち会いました。強制入院では保健所や警察など地域連携が行われるため、医療者以外のスタッフさんたちとも多く関わります。病院よりも広い、「地域」という単位で患者さんをみる視点が生まれました。

 

(3)医療人

 そして、ぜひ注目してほしいのが、「人」です。

 精神科では、血液検査や画像検査だけでは患者さんの状態に迫れず、相対してやりとりすることでしか情報が得られないことも多いかと思います。

その点に関して、「医者として使える武器が少なくて心許ないのでは」と私が言ったとき、ある先生は「それがいいのだ」とおっしゃいました。「自分の身ひとつで向き合って、全力を出していくのが好きだ」と。

かっこよすぎました。専門分野は何であれ、それがプロフェッショナルのスタンスなのかもしれません。

さまざまなキャラクターの先生方がおり、どの先生もご自分の魅力を活かして患者さんに向き合われているのが印象的でした。

 看護師さんたちは患者さんとの接し方が抜群にうまく、またひとりひとりの患者さんに合わせて対応を変えたり、器具などの調整に知恵を絞ったりと、気力と体力を惜しまない仕事ぶりに感動しました。

ケースワーカーさんも、デイケア・福祉施設との調整や、強制入院の際の手続き・連絡などで奔走されており、この方たちなしでは地域の精神医療は成り立たないだろうと思われる活躍ぶりでした。

 その他のスタッフさんたちも含め、あづみ病院はとにかく医療者がかっこいいです。

 

 本当に充実した4週間でした。ありがとうございました。

 

信州大学医学部医学科5年 山崎愛子