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日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞を受賞して

 2023年6月に開催された第119回日本精神神経学会学術総会において、優秀発表賞を受賞しました。
演題は「異常行動の対応に苦慮した成人発症II型シトルリン血症の一例」です。

成人発症II型シトルリン血症は遺伝性の代謝異常症であり、意識障害や異常行動などの精神症状が目立つため、統合失調症や解離性障害などの診断で治療されている例があります。
適切な診断と内科的治療で症状が軽快するため、精神科診療において見逃さないことが重要であるといった点などについて発表をしました。

 この度、大変栄誉ある賞を頂き、この場を借りて関係者の皆様に感謝申し上げます。今後も医学の発展に貢献していきたいと考えております。ありがとうございました。

精神科山﨑

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研修がはじりました

 本年度より当院での研修を始めました研修医の髙木佑真です。24年間暮らした故郷の名古屋を離れ、ここ安曇野の地で新生活を始めました。

 2週間のオリエンテーションと6週間の血液内科研修が終わり、呼吸器内科での研修が始まりました。研修の始まったころは不安や緊張でいっぱいでしたが、上級医の先生方や周囲のスタッフの皆様の温かいご指導のおかげで、拙いながらも少しずつ日々の業務をこなせるようになってきました。まだまだ学ぶべきことばかりですのでこれからも精進していきたいと思います。
故郷とは環境の異なるこの場所での生活に初めは戸惑いもありましたが、病院の周辺に主要施設がコンパクトにまとまった池田・松川はとても暮らしやすく、今ではすっかり馴染んでしまいました。(もっとも、赤味噌が手に入りにくいのは難点ですが。)何よりも、北アルプスに抱かれた安曇野の田園の美しさには日々感動するばかりです。
 最後に、いつも熱心にご指導いただいている上級医の先生方やスタッフの皆様、そして不慣れな研修医の診察を温かく受け入れてくださっている地域の皆様にお礼を申し上げて結びとさせていただきます。


▲病院のすぐ隣を流れる高瀬川の鯉のぼりと北アルプスの山々です。自分も医師として成長しなければと気が引き締まる思いです。

▲国営アルプスあづみの公園の藤棚です。この日は天候にも恵まれ大変心地よく感じました。

初期研修1年目 髙木

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白馬診療所にて

 研修医の山田です。白馬診療所で2ヶ月間研修させていただいた報告です。
この間診療所では、自分の外来を与えられ、毎日それに専従する形で、濃密な時間を過ごしました。担当させていただいた延べ患者数を確認すると500名を超えていました。初期研修の最後にふさわしく実践的で、且つ刺激的な内容でした。

 外来の例をいくつか挙げると、
・続処方を必要とする患者さんの対応が一つ。
・健診目的、および健診異常の患者さんの対応が一つ。
・ワクチン接種や発熱外来での対応が一つ。
・当直業務と同じように急患の対応が一つ。
精査が必要な方は他院紹介としますが、軽症者には診療所での加療を続けられる点が、当直との違いです。治療方針について迷ったときには、合間に上の先生方に相談させていただくことも多々ありましたが、患者さん本人の意思を確認しつつ、自分の知識に応じた裁量をする余地もあり、生の臨床のスリルを感じました。
その他、検査を目的とした救急車の受け入れも度々ありました。
印象に残っていることは、海外からのスキー・スノーボード客の多さです。伺ったところでは、街がコロナ禍以前の活気を取り戻しつつあるそうで、短期留学さながらに、この期間ほど英語を話す必要に迫られた日々はありませんでした。ただ、診療場面では文脈が明確であり、型通りのやり取りとなるため、片言でも大概は何とかなってしまいます。受験英語+αが思わぬ場所で役に立ち、国籍も人種も異なる人々の援助ができることには、ちょっとした感動を覚えました。言語の壁を感じるほどかえって歩み寄りの心が働き、大抵は場も和やかでした。悪戦苦闘の末に使える定型表現が徐々に増えていくのも、日々の励みになりました。それに音声入力、自動翻訳といった文明の利器の恩恵にあずかる場面もあり、時代の進歩を肌で感じました(医療翻訳に関しては100%正確さには欠けることもありますが)。冬の白馬は、英会話と外傷の経験をさせていただくには、特に適した環境でした。(くれぐれも怪我には気を付けてウインタースポーツをお楽しみください)

 最後になりますが、この研修中には多くの皆様のお世話になりました。この場をお借りして深謝を申し上げます。

診療所から激写された電車。目と鼻の先を走っています。

 

 

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白馬診療所の研修を終えて

初期研修医2年目の柏瀬です。

 あづみ病院の初期研修プログラムでは、初期研修医2年目の冬に、地域医療と外来研修を兼ねて8週間以上の白馬診療所での研修を行うこととなっています。私は11月の半ばから翌年1月の前半までの期間、白馬診療所で研修を行いました。

 白馬診療所では、研修医が他の医師と並列で外来を担当します。外来ではCommon diseaseの診療と、インフルエンザ及びコロナウイルスワクチンの予防接種、発熱外来での対応を数多く行いました。また、診療時間の合間に訪問診療も行っており同行させていただくこともありました。

 12月の半ばから雪が降り始め、スキー場がオープンすると、スキー外傷でたくさんの患者さんが来院されるようになりました。旅行者は、日本からはもちろん、オーストラリア、欧米、アジア圏からなど様々で、混雑した待合所で日本語以外の言語が飛び交う光景は新鮮でした。言語の問題で診断や治療が十分に伝わらなかったり、移動や帰国の予定があるために、移動先の病院に診療をお願いするしかないといった苦しい場面が多くありましたが、目の前の患者さんに集中し、丁寧親切な対応を心掛けました。

 白馬での研修期間は、寝ているときにも、外来の夢を見ることがよくありましたので、それなりにストレスもあったと思いますが、一度も憂鬱になることはありませんでした。むしろ、日々、自分の成長を実感でき、充実感に満ちていました。医師として求められることが嬉しく、それに応えたいという気持ちがモチベーションでした。

 ご指導いただいた先生方、看護師の方々、OT・PTの方々、事務の方々には、とてもよくしていただき、大変感謝しております。この場をお借りしてお礼申し上げます。


白馬診療所の近くのコンビニにて。自動車通勤は大変かと思いきや、除雪が行き届いていて苦になりませんでした。絶景を毎日眺めながらの通勤は私にとって素晴らしい時間でした。

 

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北信総合病院の産婦人科研修に行ってきました

 もう入職から半年が過ぎたことに実感があまり湧いていません(苦笑)。研修としては半年と少し内科を研修し、この度4週間、長野県中野市にある北信総合病院にて産婦人科の研修を行ってきました。外科系の科目を回ること自体が初めてだったので縫合どころか結紮(けっさつ)すらおぼつかない有様であったりもしましたが、無事乗り切ることができました。
 研修では病棟と外来、そして手術の立ち合いが主でした。研修後半では一部の結紮・縫合、そして婦人科の検診を上級医の補助のもとに行うようになったりと、現場の体験を重視した内容でした。診察をする際の緊張は最後まで拭えませんでしたが。
 外来診療では、診察の器具の取り扱いだけでなく、診察での言葉選びが特に勉強になりました。今後の自らの研修に役立てたいと思います。また、外来と病棟での精神科との関わりは興味深いものでした。コロナ禍の下で手術が中止になったりと、致し方ない面はありましたが、研修内容にはとても満足しています。
 今後は、麻酔科の研修を終えた後に救急科を回る予定です。救急科は自らの志望科目でもあるので、今から楽しみにしております。そのためにも麻酔科での研修も一層気を引き締めて参りたいと思います。
 最後になりましたが、ご指導くださった北信総合病院の産婦人科の先生の皆様、この場を借りて深く御礼申し上げます。

◀北信総合病院からの帰り道に寄った博物館です。ミドルヤードという展示場(フロントヤード)と収蔵品保管・調査研究の場(バックヤード)の中間のような展示が印象的でした。アクセスの際に細い道を通ることもあり、運転に不慣れな私はいつJAFを呼ぶことになるかヒヤヒヤしました。

一年目研修医 髙野 烈

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CPC症例検討会

 研修医の山田です。CPC症例検討会について報告させていただきます。

 CPCの実施は初期研修の要件として必須とされており、研修病院では基本は毎年開催されていることと思います。しかし昨今はコロナ禍により病理解剖への実際の立ち会いも難しく、今回過去の症例につき検討させていただくことになりました。昨年の大学病院でも同様だったので、今はどこも似た状況なのではないかと思います。大学から病理医の先生にもお越しいただき、研修に不都合のないよう調整していただけたのでその点では安心できます。

 テーマになったのは難しい症例でしたが、病理解剖を通して死因究明に一歩近づくことができました。いわゆるAi(Autopsy imaging; 死亡時画像診断)だけでは分からないことも、病理的には診断できることがたくさんあります。ただ、病理にも特有の限界があり、決して万能ではないことを認識させていただいたのが、今回の自分の収穫でした。お忙しいなか先生方、検査科の方々にもお集まりいただき、これだけ職員が集まるのを見たのは入職式以来(?)でした。関係各所に感謝申し上げます。

 その他近況としては、今年度も残すところ半分を切り、進路決定の直前まで来ております。半年後には専攻医になり、自分で判断して責任を持って動く場面が格段に増えます。実践的な勉強をしておこうと、空き時間には気合を入れて、先生方の書いたカルテを丁寧に読むようにしています。医療行為は遅滞なくカルテに記録することになっているため、カルテから教わることは多いです。自分は白馬診療所での2ヶ月間の研修をこれから控えているので、今の生活スタイルもそう長く続かないことを思うと、時の経つ速さを実感します。

 

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初期研修2年目の夏

研修医2年目の柏瀬です。こちらに来て初めての寒い冬を経験し、春が過ぎ、2度目の夏を過ごしています。

初期研修は1年5ヵ月が経過し、内科、麻酔科、産婦人科(北信総合病院)、精神科、救急科、小児科を回り、必修科は冬の白馬診療所での地域医療を残すのみとなりました。残りの期間は、志望科である精神科で修行させていただこうと思っています。

あづみ病院の精神科は、病床数120床と総合病院の精神科としては大規模で、症例数も豊富です。今年度、新しく専攻医が1名加わり、教育にも力を入れています。週に1度の症例検討会では専攻医や研修医が担当する症例について、上級医の先生に時間をかけて相談することが出来ます。また、隔週で外部講師の先生による講義も開始され、精神医療の基本から勉強することが出来ます。他科をローテ―ト中でも参加することが出来ますので、精神科志望の研修医にとっては贅沢な環境だと感じます。

私生活では、キャンプやドライブなど北アルプスの大自然を満喫しました。コロナ禍でも密になりにくいのが田舎のメリットだと思います。食事も美味しいので昨年よりさらに体重が増加してしまいました。今は-10Kgを目標に食事制限と運動を頑張っています。


安曇野のゲストハウスにて。テントサウナに入った後、川に飛び込んで最高に整いました。

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新人精神科医の思い

 あづみ病院に入職して4ヶ月が経過しました。精神科の小野です。 
 最初は、もちろんゼロからのスタートでしたので、正直わからないことだらけでした。指導医の先生方や看護師さん、薬剤師さんなどの多くのスタッフに助けていただきながら治療をすすめてきました。正直、初めての入院患者さん、初めての外来患者さんであり、とまどうことも多くありました。精神科医としては駆け出しの僕ですが、その中でも、毎日なるべく時間がある時に患者さんとお話するように、患者さんの訴えを聞くことができるように心がけています。日々の診療の中で、患者さんとの信頼関係を築くことができ、その中で処方薬の調整はもちろん、今後どのように生活するのか、患者さんやご家族と相談しながら主治医として可能な限り取り組んでまいりました。患者さんの多様さに驚かされることは多くありました。疾患の多様性はもちろんですが、生活背景も様々でした。
ご家族と絶縁状態の患者さん、
お仕事のストレスで精神疾患を発症した患者さん、
精神疾患を持ったまま出生し、病と向き合いながら生活している患者さんなど、それぞれの患者さんが、各々の人生を歩んでこられ、多くの苦労を経験されてきたお話を聞き、精神科での治療を通して、今後の人生が少しでも豊かになればと思って治療に取り組んでおります。

写真は、美ヶ原高原にある牛乳専科というお店のソフトクリームです。
コロナが比較的落ち着いた時期に観光しました。美味しかったので是非食べてください。濃厚なクリームはもちろんですが、コーンの部分までカリッとした食感でおいしく作られておりました。

精神科医師小野

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泣くな専攻医

 早くも入職して3ヶ月が経ちましたが、いまだに自分の名札の「整形外科医師」のプレートにドキッとしている整形外科専攻医1年目の伊藤です。

初期研修病院では整形外科がなく、漠然と自分は内科医になるものとぼんやり考えていましたが、気が付いたらあづみ病院整形外科の門を叩いていました。
整形外科領域の知識についてはずぶの素人と言っても過言ではない私にとって、4月からの3ヶ月はまさに五里霧中といった様相でした。手術一つをとっても、覆布(おいふ:医療現場で使用する青い布のこと)の掛け方や、糸の結び方、糸の切り方、全て基本の「き」から勉強を始める必要があります。
しかし、あづみ病院の整形外科には、各専門の先生がそろっていて、この安曇野の片田舎に(大変失礼なものいいですみません)これだけの専門医が集まっているのだろうと訝しがりたくなるような布陣です。
どこまでも無知無知な私に無限の知識と技術、愛情を注いでくれる諸先生方のおかげで、なんとかこの先頑張っていける気がしてきた・・そんな3ヶ月だったように思います。本当に贅沢な環境に、感謝の気持ちしかありません。

さて、あまり読書習慣のない私が、タイトルだけに惹かれて最近読んだ本があります。「泣くな研修医」という小説で、中山祐次郎先生という外科の先生が書かれた本です。最近はテレビドラマ化されていてご存知の方も多いかと思います。初期研修医が主人公の話ですが、「逃げるな新人外科医」「走れ外科医」と続編が続き、医学部を卒業したばかりの初期研修医「雨野」が、少しずつ成長していく様を描いています。
現役の医師が書いている本なのでかなりリアルに研修医、専攻医の生態が描かれており、読んでいて「あるある」と思うことばかりですので、医学生や研修医の先生方はイメトレのために読んでみるとよいかもしれません。
翻って自分の入職してからの姿を思い返すと、手術に入らせてもらっても手も足も出ず、外来で冷や汗と脂汗を流し、病棟で迷子になる・・。小説にしても全く売れなそうな生活を送っています。
自分のポンコツさを恨めしく思い、泣きたくなるような毎日ですが、いつか振り返ってみた時に、「あのポンコツがこんなにビッグになったぜ!」と胸を張れるように少しずつ自分のペースで成長していこうと思います。泣くな専攻医!

「泣くな研修医」おすすめです。

 伊藤槙太郎

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研修医としての生活が始まりました

 入職から二ヶ月が過ぎ、国試受験生として過去問をひたすらやっていた日々も遠くなりつつあります(そしてもちろん入れたはずの記憶もだんだん抜けて……)。

 二週間のオリエンテーションの後に右も左も分からず配属された血液内科では、病棟にいる患者さんごとに状態を日々評価し、それについてのフィードバックをもらう形で研修しておりました。「ここも見た?」と気にも留めていなかった所からの指摘もたくさん頂きました。そしてもちろん、カルテの書き方、薬のオーダーの出し方や上級医へのコンサルといったような、病棟管理や内科といった枠に収まらない、「立ち回り」の面からの指導もありました。今後もこの経験を活かしていけるよう精進して参りたいと思います。
 そのような業務にあたるうちに慣れない電子カルテも少しだけ扱えるようになり、五月からは日当直も始まりました。いまだに一人で問診を取らせて貰う時には右往左往していますが……。こちらは今後の課題です。上級医の先生の診察を目の前で見て学んでいく所存であります。

 一方私生活の面ですが、コロナ禍の下で外食があまり出来ないこともあり自炊を始めました。初めての一人暮らしでこちらも慣れないことばかりではありますが、休日の前の日に少し手の込んだ料理を作ることも今の楽しみの一つです。

▶初めて自作したアヒージョもどき。こんなんでも今の僕にはレベルが高かった……。

毎日見える北アルプスも雪景色から緑が見えるようになり、入職前から楽しみにしていた登山のシーズンが近づいてきているのを目と肌で感じています。
▶4月末の病院の屋上より。真ん中の方に鹿島槍ヶ岳が見えています。個人的には麓の緑との対照で一番山が見ごろな時期だと思います。

一年目研修医 高野 烈

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研修1年目~春~

 1年目研修医の有阪です。
信大の学生実習でお世話になったあづみ病院にて初期研修をさせていただくこととなり、身が引き締まる思いです。何卒よろしくお願いいたします。

 当院の初期研修医は、院内外の施設や外来を4月初めの2週間で見学させていただき、その後内科での半年間(4診療科を6週間ずつ)の研修、という流れで毎年研修をスタートしています。
電子カルテの使い方を覚えることが、この時期に最も大事なことだとも言われています。医師になると、薬の処方、どの検査を指示するかなど学生より出来ることが増えますが、使い方を教わらないとわかりづらい所も多くあります。2年目の研修医の先生方や医療情報部の方などが、詳しく実用的なところまで教えてくださったおかげで、今ではスムーズに使えるようになりました。

 内科研修では、今月まで呼吸器内科をまわらせていただいておりました。入院中の患者さんの呼吸器の症状だけでなく、おなかの調子がおかしい、むくみなど全身の様々な症状について診察させていただきました。症状の変化を指導医の先生にお伝えし、相談しながら治療方針を決めています。車で訪問診療をされる先生の同行もさせていただきました。病院の外では検査機器もなく、身体診察や問診でできる範囲で健康状態を判断するので、診察の重要性をあらためて痛感しました。
 こちらの写真は4月の院内外の施設見学の際に、信州が初めての先生への案内にと訪れた松本城、白馬スキージャンプ台の写真です。

 
信大在学中に松本城でサークルの花見を行ったことが早くも昔のようです。ジャンプ台は雪がなくても滑ってみたくなるような壮大さに魅了され、冬の様子もその目に収めたいと思っています。

初期研修医1年 有阪

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たすきがけ研修について

 私はいわゆるたすきがけプログラムを利用して、1年目に大学病院、2年目にあづみ病院での研修を選択しました。精神科志望者として参考になればと思い、以下にその感想を記します。
 大学病院では、commonな疾患よりはrareかつcriticalな疾患をもつ患者さんたちが集まり、それに対応するための医療体制が整えられています。研修医の学ぶべき知識、積むべき研鑽もそれに応じたものになります。そのなかで科によっては学会発表や論文作成の機会も与えていただき、アカデミックな世界を垣間見ることができました。診療の基礎を学べる科としては、放射線科と麻酔科の研修が何科の志望者にもオススメできます。特に放射線科で1日中画像とにらめっこする経験は、他では得難いものでした。
また、私は公衆衛生に関心があり、空き時間に教室の門を叩いてみたところ、貴重なデータを提供していただいたり、学会にお誘いいただいたりと歓迎していただけました。市中病院で公衆衛生にコミットできるのは、かなり限られた環境になると思いますので、大学の地の利を享受できたことに対し感謝しています。
大学での研修で他に挙げられるメリットとしては、各科に恩師が増えるのも良い点でしょう。大学院進学を考えていて大学勤務が続くとすれば大いに助けられることもあろうかと思います。
あづみ病院に来させていただいて2ヶ月経ちますが、大学との一番の違いは救急外来での当直です。自分で検査と診断を考えるプロセスに、昨年とは違った種類の責任感が芽生え、目を通す参考書のメニューも変わりました。当院では立地柄、深夜の救急車受け入れ台数は比較的少ないため、自分のメンタルヘルスを保持しながら、救急対応の基本を身に付けることができます。週1回の日当直を通して、それを身に付けるのが私の当面の目標の一つになりました。
 これについて補足としては、信大では初期研修医は基本的には救急ローテ期間しか当直に入りません。そのため研修から離脱してしまうリスクを低く抑えられることがあります。慣れない当直で睡眠を中断される経験は、個人差や施設差はあるにせよ、初期研修で最も大きな負荷であることは間違いないでしょう。一般的に夜勤が睡眠障害や不安障害を発症するリスクとなることには睡眠医学上の多くのエビデンスが存在します。1年毎に自分に合った施設に異動でき、そういったリスクを分散・最小化できるのは、長期的にみて利点だと思います(一方でスタートダッシュこそ大事という意見もあるでしょうが)。
 このように私は、今のところたすきがけ研修に大きな不満なく過ごせており、あづみ病院を研修先に選んで良かったと思っています。また志望科の精神科については、症例検討会が毎週開催され、精神科に興味があれば研修期間外でも参加可能となっており、年間を通して勉強を続けることができます。肩肘張らず質問等しやすい雰囲気で行われるので、実習・研修中に参加されてみてはいかがでしょうか?


ネット通販での注文を院内のファミマ受け取りにすると毎日不便しません

産業医主体の学会で参加者も多く非常に活気がありました

初期研修医 1年目 山田

 

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初期研修2年間を振り返って

あづみ病院で初期研修をさせていただきました保川信です。
あづみ病院での2年間の初期研修が先日修了しました。初期研修では多くの科を回らせていただき大変勉強になりました。精神科研修と白馬診療所での地域研修が特に印象に残りました。

2月・3月の2か月間は、白馬診療所での研修でした。
1月30日に白馬に到着したのですが、すごく寒かったことを覚えています。最初は寒さに慣れず大変でしたが徐々に慣れていきました。
研修内容としては外来を主に診させていただきました。スキー外傷の方が多く、骨折や脱臼の初期対応を学ばせていただきました。上腕骨の脱臼骨折が特に印象的でした。今後、医師として通用するよう努力していきたいと感じました。白馬での研修をさせていただきありがとうございました。
また、白馬村は、飲食店・旅館・ホテル・スキー用具店・コンビニエンスストア・その他多くの地域の方が、スキーやスノーボードなどのスキ産業に支えられて、コロナ禍で制限が多く難しい時期ですが、白馬村の多くの方の観光業で生活が成立していると感じました。岩岳では学生スキー大会がありましたが、無事大会ができて嬉しく感じております。

大学病院の研修では、いくつかの科を回らせていただきそれらも大変勉強になりました。また、コロナが始まったばかりの時期に初期研修が始まり研修内容の一部が変更となりました。例年よりは充実した研修にする事は難しかったと研修担当の方はおっしゃっていましたが、それでも充実した研修をする事ができたと感じております。これまでの経験を今後の診療に活かしていきたいです。
初期研修では多くの方、先生方にご指導いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。

保川 信

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白馬診療所での研修

研修医2年目の丸山です。

 12月と1月の2カ月間は白馬診療所で研修をしました。
白馬村は雪の量も多く、スキー場も多く存在する地域です。なかなか普段これほどの積雪を見ないため、最初に白馬村に到着した際も雪の量に驚きました。ただ、白馬診療所近くの宿舎を利用することができたため、通勤において積雪に困ったりすることなく、非常に便利な環境で過ごすことができました。コンビニエンスストアも近く、とても良い立地の宿舎でした。
 白馬診療所では、初診や再診の患者さんも多く来院しますが、この時期なのでスキー外傷や発熱の患者さんも高頻度で来院されました。本院の救急外来の当直業務では、緊急性の高い疾患のみを考慮して診察を進めれば問題ないですが、日中の外来診療においては、緊急性は高くないが放置すると重篤性が高くなる疾患に関しても考慮する必要があるため、非常に勉強になる研修でした。2年間の研修で学んだことをもとにして問診・検査・処方を行い、上級医の先生方にご指導いただきながら診察を行いました。
 白馬診療所では非常に充実した2ヶ月を過ごすことができました。忙しいにも関わらず優しく丁寧にご指導くださった白馬診療所の方々、本当にありがとうございました。心より感謝を申し上げます。今回の研修で学んだことを今後の診療で生かしていければと考えております。

雲の切れ間から見えた朝日

初期研修医丸山

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初期研修の近況の報告

 初期研修医2年目の保川信です。
 この記事を書いているのは12月なのですが、すでに雪が積もっており外の景色は綺麗で空気も澄んでいます。
 残りの研修もわずかで、時が流れるのはとても早いと感じております。昨年の4月頃は、ちょうど感染症が流行り始めた時で外出中に非常に強い閉塞感や停滞感を感じました。
 現在は、そのような事も無く過ごせていて平穏のありがたみを噛み締めております。研修の内容が一部変更になったり、休日の過ごし方が制限される等難しい状況でしたが、概ね希望通りの研修ができたと感じており良かったと思います。
現在は、脳神経内科をローテートしていて目眩(めまい)、脳梗塞、脳出血などを学んでいます。残り数カ月で初期研修は修了ですができることをやっていきたいと感じています。

医局カンファレンスでの症例報告の様子です。

初期研修2年目 保川 信